マイナーペンタトニックスケールは「1-b3-4-5-b7」の5音で構成されるスケールです。「マイナーペンタ」と呼ばれ、Cマイナーペンタなら構成音はC-Eb-F-G-Bbになります。
ギターとの相性が良く、ロックやブルースでも多用されるので、ギタリストなら一度は聴いたことのあるスケールです。
ここではマイナーペンタトニックスケールの響きと成り立ち、そして効率的な覚え方を紹介していきます。
マイナーペンタトニックスケールの響き
スケールを覚えるときに大切なことは、響きから覚えることです。まずはCm7コード上で使うCマイナーペンタを例に、どんな響きなのか聴いてみましょう。
Cマイナーペンタトニックスケール


マイナーペンタの響きを覚えるまで「聴く」「弾く」を繰り返してみてください。
マイナーペンタトニックスケールの構成音
マイナーペンタを度数で表記すると次のようになります。
Cマイナーペンタトニックスケールの度数表記

構成音にm7のコードトーン(R-b3rd-5th-b7th)が入っているので、「m7のコードトーンに11thを加えたスケール」と捉えることができます。
その他には、「ナチュラルマイナースケールの9th、b13thを無くしたスケール」や、「メジャーペンタトニックスケールの6thから並べたスケール」と捉えることもできます。
Cナチュラルマイナースケールの9とb13をなくす

Ebメジャーペンタトニックスケールの6thから並びかえ

ジャズではバックで鳴っているコードを意識することが大切なので、「m7のコードトーンに11thを加えたスケール」と覚えるのがおすすめです。
マイナーペンタトニックスケールが使えるコード
CマイナーペンタはCm7以外にもさまざまなコードで使うことができます。ここではFm7、Bbm7コードを例にどんな響きになるか聴いてみてください。
Fm7コード上で使うCマイナーペンタトニックスケール

CマイナーペンタトニックスケールをFm7で使ったときの度数

9thと11thのテンションが特徴的な響きになります。
Bbm7コード上で使うCマイナーペンタトニックスケール

CマイナーペンタトニックスケールをBbm7で使ったときの度数

6thの音が入っているのでドリアンの響きに近いのが特徴です。
- ルートのマイナーコード(Cm7でCマイナーペンタ)
- 完全4度上のマイナーコード(Fm7でCマイナーペンタ:9th、11thの響きが特徴)
- 長2度下のマイナーコード(Bbm7でCマイナーペンタ:6thの響きが特徴)
各ポジションとコードを関連させる
指板上のスケールの配置を覚えるときは、いくつかのポジションに分け、それぞれのポジションごとに覚えていくのが効率的です。
またその際に目印となるコードフォーム、コードトーンも関連させて覚えておきましょう。
ここではCm7コード上で弾くCマイナーペンタを例に紹介します。弾きながら響きを確認してみてください。
ポジション1 スケール、コードトーン、コードフォーム

ポジション2 スケール、コードトーン、コードフォーム

ポジション3 スケール、コードトーン、コードフォーム

ポジション4 スケール、コードトーン、コードフォーム

ポジション5 スケール、コードトーン、コードフォーム

各ポジションをコードフォームやコードトーンと関連付けることで、指板上を視覚的に捉え、コードに対する各音の響きも覚えることができます。
マイナーペンタトニックスケールを使ったアドリブ
指板上の音の配置がある程度見えてきたら、アドリブしながら覚え込ませることが大切です。
おすすめの方法は次の3つ。
- ランダムに弾く
- リズムを変える
- モチーフを発展させる
ここではポジション2を例にやってみましょう。
ランダムに弾く
ポジション内の音の配置を正確に覚えられているかの確認に最適な練習法です。8分音符を使うとジャズの基本リズムも身につくのでおすすめですが、難しい場合は4分音符で始めても構いません。

リズムを変える
休符や3連符、16分などいろいろなリズムを混ぜることで表現の幅が広がります。リズムに音を当てはめるという感覚でアドリブしてみてください。

モチーフを発展させる
スケール練習の最終段階はモチーフです。これはアドリブの基礎にもなります。ここではシンプルな5音モチーフを発展させてみましょう。

ここまでできるようになれば、スケールの響きと指板上の音の配置がしっかり見えているはずです。それぞれのポジションを覚えたら、指板全体を使って同じように練習してみましょう。
マイナーペンタトニックスケールの各ポジション指板配置PDF
ギターの指板上を5つのポジションに分けた、全キーのマイナーペンタトニックスケール度数表記をPDFにしました。ご活用ください。