メロディックマイナースケールはジャズで多用されるスケールの1つです。
- メロディックマイナーってどんなスケール?
- 名前は知ってるけど弾いたことがない
- 指板上の配置がわからない
といった疑問や悩みを解決するために、メロディックマイナースケールを響きから覚えていく方法を紹介します。ぜひこの機会に覚えてみてください。
メロディックマイナースケールのサウンド
スケールは響きを耳から覚えることが大切です。まずはメロディックマイナースケールがどんな響きなのか聴いてみてください。
Cメロディックマイナースケールの構成音と響き
![Cメロディックマイナースケール音名楽譜](https://www.jazzguitarstyle.com/theory/melodicminor/c-melodic-minor-scale-with-name.png)
![C
メロディックマイナースケールを使った演奏例楽譜](https://www.jazzguitarstyle.com/theory/melodicminor/c-melodic-minor-scale-sound.png)
メロディックマイナースケールの構成
響きを覚えたらそのスケールの成り立ちを理解しておきましょう。
メロディックマイナースケールは1-2-b3-4-5-6-7の7音スケールで、メジャースケールの3度を半音下げたスケールと捉えることができます。つまりメジャースケールと1音しか違わないのです。
Cメロディックマイナースケール
![Cメロディックマイナースケール度数楽譜](https://www.jazzguitarstyle.com/theory/melodicminor/c-melodic-minor-scale-number.png)
Cメジャースケール
![Cメジャースケール度数楽譜](https://www.jazzguitarstyle.com/theory/melodicminor/c-major-scale-number.png)
ダイアトニックスケールとして考えると、メロディックマイナースケールは全音+半音+全音と全音+全音+半音からなるテトラコルドを組み合わせて作ることができます(詳しくはダイアトニックスケールの成り立ちと捉え方で紹介しています)。
Cテトラコルド(全音+半音+全音)
![Cテトラコルド楽譜](https://www.jazzguitarstyle.com/theory/melodicminor/c-tetra-chord.png)
Gテトラコルド(全音+全音+半音)
![Gテトラコルド楽譜](https://www.jazzguitarstyle.com/theory/melodicminor/g-tetra-chord.png)
Cテトラコルド+Gテトラコルド
![CとGテトラコルドを合わせた楽譜](https://www.jazzguitarstyle.com/theory/melodicminor/c-g-tetra-chord.png)
現在はルートを基準に度数で考えるのが一般的です。
Cメロディックマイナースケール度数表記
![Cメロディックマイナースケール度数表記楽譜](https://www.jazzguitarstyle.com/theory/melodicminor/c-melodic-minor-scale-with-degree.png)
スケール音を覚えるときは、それぞれの音ではなく、コードトーン+テンションと覚えます。Cメロディックマイナースケールは、C-Eb-G-BのコードトーンにD-F-Aのテンションが加わっていると覚えます。
![コードトーンとテンションに分けた楽譜](https://www.jazzguitarstyle.com/theory/melodicminor/chord-tone-tension.png)
スケールをコードトーン+テンションで覚えることで、そのスケールが使えるコードと関連させやすくなります。
各マイナーコード上でのサウンド
CメロディックマイナースケールのコードトーンC-Eb-G-BはCmMa7。つまりメロディックマイナースケールはマイナーコードで使うことができます。同じフレーズがバックのコードの違いによっとどう変わるか聴いてみてください。
CmMa7コード上でのサウンド
Cm7コード上でのサウンド
![Cメロディックマイナースケールを使ったフレージング楽譜](https://www.jazzguitarstyle.com/theory/melodicminor/c-melodic-minor-scale-on-minor-chord.png)
各コードでの響きを覚えることはアドリブにも役立ちます。
各ポジションとコードを関連させる
指板上のスケールの配置を覚えるときは、いくつかのポジションに分け、それぞれのポジションごとに覚えていくのが効率的です。
またその際に目印となるコードフォーム、コードトーンも関連させて覚えておきましょう。
Cメロディックマイナースケールを例にそれぞれのポジションを紹介します。実際に弾きながら確認してみてください。
ポジション1 スケール、コードトーン、コードフォーム
![ポジション1 スケール、コードトーン、コードフォームダイアグラム](https://www.jazzguitarstyle.com/theory/melodicminor/c-melodic-minor-scale-position1.png)
ポジション2 スケール、コードトーン、コードフォーム
![ポジション2 スケール、コードトーン、コードフォームダイアグラム](https://www.jazzguitarstyle.com/theory/melodicminor/c-melodic-minor-scale-position2.png)
ポジション3 スケール、コードトーン、コードフォーム
![ポジション3 スケール、コードトーン、コードフォームダイアグラム](https://www.jazzguitarstyle.com/theory/melodicminor/c-melodic-minor-scale-position3.png)
ポジション4 スケール、コードトーン、コードフォーム
![ポジション4 スケール、コードトーン、コードフォームダイアグラム](https://www.jazzguitarstyle.com/theory/melodicminor/c-melodic-minor-scale-position4.png)
ポジション5 スケール、コードトーン、コードフォーム
![ポジション5 スケール、コードトーン、コードフォームダイアグラム](https://www.jazzguitarstyle.com/theory/melodicminor/c-melodic-minor-scale-position5.png)
スケールをコードトーン、コードフォームを関連させることで、各音の響きをしっかり覚えることができます。
ここではCmMa7を例にしましたが、Cmトライアド、Cm7、Cm6など、さまざまなコードとも関連させてみてください。
ランダムに弾く
指板の配置が見えてきたら、より確実に覚えていくためランダムに弾いていきます。
ポジション3をランダムに弾く
![Cメロディックマイナースケールをランダムに弾いた楽譜](https://www.jazzguitarstyle.com/theory/melodicminor/c-melodic-minor-scale-random.png)
8分音符を使っていますが4分音符でもかまいません。ランダムに弾く練習は新鮮なフレーズアイデアを見つけるためにも有用です。
リズムに変化をつける
ランダムに弾くのに慣れてきたらリズムを変えてみましょう。3連符や16分音符、休符などを混ぜて自由に弾いてみてください。ここでは16分音符中心の例を紹介します。
![リズムに変化をつけたCメロディックマイナースケール楽譜](https://www.jazzguitarstyle.com/theory/melodicminor/c-melodic-minor-scale-rhythm.png)
ジャズのアドリブはリズムに音を当てはめています。まずはカッコいいと思えるリズムをいくつか覚え、そこに音を当てはめてみてください。
モチーフを発展させる
最後はモチーフを発展させる練習です。これがアドリブの基礎になります。ここではシンプルな5音モチーフを発展させてみましょう。コードに対して何度の音を弾いているかも意識しながら弾いてみてください。
![Cメロディックマイナースケールのモチーフを使った楽譜](https://www.jazzguitarstyle.com/theory/melodicminor/c-melodic-minor-scale-motif.png)
モチーフは少ない音数の方が発展させやすいので、5音以内がおすすめです。
ここまでできるようになれば、スケールの響きとネック上の音の配置がしっかり見えているはずです。それぞれのポジションを覚えたら指板全体を使って同じように練習してみてください。
メロディックマイナースケールPDF
指板上を5つのポジションに分けた、全キーのメロディックマイナースケール度数表記をPDFにしました。練習のお供にご活用ください。
響きから覚えるスケール練習が教則本になりました
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