Cメジャーキーの場合、G7の代理に使えるドミナントは以下の7つ。
代理コード | 使えるスケール | G7から見た度数 |
Db7 | Dbリディアンb7、Dbコンディミ | bV7 |
B7 | Bオルタード、Bコンディミ | III7 |
E7 | Eオルタード、Eコンディミ | VI7 |
Bb7 | Bbリディアンb7、Bbコンディミ | bIII7 |
D7 | Dコンディミ | V7 |
F7 | Fリディアンb7、Fコンディミ | bVII7 |
Ab7 | Abコンディミ | bII7 |
ここではDm7-G7-CMa7を例に、代理コードを使ったリック、コンピングを紹介していきます。
代理コードを使うと選択肢が増え、より自由な演奏ができるようになります。ぜひお気に入りの代理コードを見つけて実践で使ってみてください。
基本のコード進行
![Dm7-G7-CMa7楽譜](https://www.jazzguitarstyle.com/column/dominant-sub/basic-ii-v-i.png)
G7でよく使うスケールはGコンディミ。
![GコンディミをG7から見た度数楽譜](https://www.jazzguitarstyle.com/column/dominant-sub/gdiminished-on-g7.png)
Gコンディミを使ったリック
![Gコンディミを使ったII-V-Iリック](https://www.jazzguitarstyle.com/column/dominant-sub/ii-v-i-lick.png)
コンピング例
![Dm7-G7-CMa7のコンピング楽譜](https://www.jazzguitarstyle.com/column/dominant-sub/ii-v-i-comping.png)
裏コード
V7の代理でもっとも有名なのが裏コード。3rdとb7thを共有しているドミナントコードに代理する手法です。
G7の3rdとb7thはB音とF音。この音を共有するドミナントがDb7です。
![G7とDb7の関係楽譜](https://www.jazzguitarstyle.com/column/dominant-sub/g7-db7-3rd-7th.png)
このことからG7をDb7に代理することができます。
![G7をDb7に代理した楽譜](https://www.jazzguitarstyle.com/column/dominant-sub/g7-to-db7.png)
使えるスケールはDbリディアンb7。
Dbリディアンb7をG7から見た度数
![Dbリディアンb7スケールをG7で使った時の度数楽譜](https://www.jazzguitarstyle.com/column/dominant-sub/dblydianb7-on-g7.png)
Dbリディアンb7を使ったリック
![Dbリディアンb7を使ったII-V-Iリック](https://www.jazzguitarstyle.com/column/dominant-sub/ii-v-i-lick-as-db7.png)
Db9を使ったコンピング
![Db7を活用したコンピング例楽譜](https://www.jazzguitarstyle.com/column/dominant-sub/ii-v-i-comping-with-db7.png)
IコードをIIIm/Iと捉える
CMa7をEm/Cと捉えると、G7をB7に代理することができます。B7はEmのV7です。
![G7をB7に代理した楽譜](https://www.jazzguitarstyle.com/column/dominant-sub/g7-to-b7.png)
使えるスケールはBオルタードスケール。
BオルタードをG7から見た度数
![BオルタードスケールをG7から見たときの度数楽譜](https://www.jazzguitarstyle.com/column/dominant-sub/balterd-on-g7.png)
Bオルタードスケールを使ったリック
![Bオルタードスケールを使ったII-V-Iリック楽譜](https://www.jazzguitarstyle.com/column/dominant-sub/ii-v-i-lick-as-b7.png)
B7altを使ったコンピング
![B7を活用したコンピング楽譜](https://www.jazzguitarstyle.com/column/dominant-sub/ii-v-i-comping-with-b7.png)
B7の裏コード
B7の裏コードで代理することもできます。B7と共通の3rdとb7thを持つドミナントはF7。
![B7とF7に共通する3rd、b7th楽譜](https://www.jazzguitarstyle.com/column/dominant-sub/b7-f7-3rd-7th.png)
![G7をF7に代理したII-V-I楽譜](https://www.jazzguitarstyle.com/column/dominant-sub/g7-to-f7.png)
使えるスケールはFリディアンb7スケール。
Fリディアンb7をG7から見た度数
![Fリディアンb7をG7からみたときの度数](https://www.jazzguitarstyle.com/column/dominant-sub/flydianb7-on-g7.png)
Fリディアンb7を使ったリック
![](https://www.jazzguitarstyle.com/column/dominant-sub/ii-v-i-lick-as-f7.png)
F9を使ったコンピング
![F7を活用したコンピング楽譜](https://www.jazzguitarstyle.com/column/dominant-sub/ii-v-i-comping-with-f7-lydianb7.png)
IコードをVIm9/Iと捉える
CMa7をAm9/Cと捉えると、G7をE7に代理することができます。E7はAm9のV7です。
![G7をE7に代理した楽譜](https://www.jazzguitarstyle.com/column/dominant-sub/g7-to-e7.png)
使えるスケールはEオルタードスケール。
EオルタードをG7から見た度数
![EオルタードスケールをG7で使ったときの度数](https://www.jazzguitarstyle.com/column/dominant-sub/ealterd-on-g7.png)
Eオルタードスケールを使ったリック
![Eオルタードスケールを使ったII-V-Iリック楽譜](https://www.jazzguitarstyle.com/column/dominant-sub/ii-v-i-lick-as-e7.png)
E7altを使ったコンピング
![E7を活用したコンピング楽譜](https://www.jazzguitarstyle.com/column/dominant-sub/ii-v-i-comping-with-e7.png)
E7の裏コードを使う
E7の3rdとb7thを共有するドミナントがBb7。
![E7とBb7が共有する3rdとb7th楽譜](https://www.jazzguitarstyle.com/column/dominant-sub/e7-bb7-3rd-7th.png)
![G7をBb7に代理した楽譜](https://www.jazzguitarstyle.com/column/dominant-sub/g7-to-bb7.png)
使えるスケールはBbリディアンb7です。
Bbリディアンb7をG7から見た度数
![Bbリディアンb7をG7から見たときの度数楽譜](https://www.jazzguitarstyle.com/column/dominant-sub/bblydianb7-on-g7.png)
Bbリディアンb7を使ったリック
![Bbリディアンb7を使ったII-V-Iリック楽譜](https://www.jazzguitarstyle.com/column/dominant-sub/ii-v-i-lick-as-bb7.png)
Bb7(13)を使ったコンピング
![Bb7を活用したコンピング](https://www.jazzguitarstyle.com/column/dominant-sub/ii-v-i-comping-with-bb7.png)
G7をディミニッシュとして考える
G7はb9thをベースにするとAbdim7になります。
![G7のルートをAbにするAbdimになる楽譜](https://www.jazzguitarstyle.com/column/dominant-sub/g7-to-abdim.png)
Abdim7はBdim7、Ddim7、Fdim7と同じ構成音なので、それぞれのルートを半音下げたBb7、Db7、E7に代理できます。
![Dimを半音下げるとドミナントになる楽譜](https://www.jazzguitarstyle.com/column/dominant-sub/dim-to-dominat.png)
まずはBb7からみていきましょう。
![G7をBb7に代理した楽譜](https://www.jazzguitarstyle.com/column/dominant-sub/g7-to-bb7.png)
Bb7で使えるスケールはBbコンディミ。
BbコンディミをG7から見た度数
![BbコンビネーションオブディミニッシュスケールをG7から見たときの度数楽譜](https://www.jazzguitarstyle.com/column/dominant-sub/bbdiminished-on-g7.png)
Bbコンディミを使ったリック
![Bbコンディミを使ったII-V-Iリック楽譜](https://www.jazzguitarstyle.com/column/dominant-sub/ii-v-i-lick-as-bb7-dim.png)
Bb7を活用したコンピング
![](https://www.jazzguitarstyle.com/column/dominant-sub/ii-v-i-comping-with-bb7-dim.png)
Db7は裏コードでもできてましたが、ここでは使うスケールがDbコンディミになります。
![G7をDb7に代理した楽譜](https://www.jazzguitarstyle.com/column/dominant-sub/g7-to-db7.png)
Dbリディアンb7とDbコンディミの違いは9thの音。
![Dbリディアンb7とDbコンディミの違い楽譜](https://www.jazzguitarstyle.com/column/dominant-sub/dblydianb7-dbcomdim.png)
b9th、#9thを使ってフレージングするとコンディミの響きになります。
DbコンディミをG7から見た度数
![DbコンディミをG7から見た度数楽譜](https://www.jazzguitarstyle.com/column/dominant-sub/dbdiminished-on-g7.png)
Dbコンディミを使ったリック
![Dbコンディミを使ったリック](https://www.jazzguitarstyle.com/column/dominant-sub/ii-v-i-lick-as-db7-dim.png)
Db7(b9)を使ったコンピング
![Db7を活用したコンピング楽譜](https://www.jazzguitarstyle.com/column/dominant-sub/ii-v-i-comping-with-db7-dim.png)
E7はAm9/CのV7で出てきましたが、ここではコンディミを使います。
![G7をE7に代理した楽譜](https://www.jazzguitarstyle.com/column/dominant-sub/g7-to-e7-to-cmaj7.png)
EオルタードとEコンディミの違いは5thと13th。
![EオルタードとEコンディミの違い楽譜](https://www.jazzguitarstyle.com/column/dominant-sub/ealted-ecomdim.png)
#5thを使えばオルタード。5thと13thを使えばコンディミになります。
EコンディミをG7から見た度数
![EコンディミをG7から見た度数楽譜](https://www.jazzguitarstyle.com/column/dominant-sub/ediminished-on-g7.png)
Eコンディミを使ったリック
![G7でEコンディミを使ったII-V-Iリック楽譜](https://www.jazzguitarstyle.com/column/dominant-sub/ii-v-i-lick-as-e7-dim.png)
E7(b9,13)を使ったコンピング
![E7を活用したコンピング楽譜](https://www.jazzguitarstyle.com/column/dominant-sub/ii-v-i-comping-with-e7-dim.png)
G、Bb、Db、Eコンディミの構成音は同じですが、どのコードを意識するかでフレージングが変わってきます。気になった響きのコードを想定してコンディミを弾いてみてください。
B7をディミニッシュとして考える
IコードをIIIm/Iに見立てたときに出てきたB7。b9thをベース音にするとCdim7になります。Cdim7はEbdim7、F#dim7、Adim7と同じ構成音なので、それぞれルートを半音下げたD7、F7、Ab7に代理することができます。
![Cdimとドミナントの関係楽譜](https://www.jazzguitarstyle.com/column/dominant-sub/bdim-to-dominat.png)
まずはB7から見ていきましょう。
![G7をB7に代理した楽譜](https://www.jazzguitarstyle.com/column/dominant-sub/g7-to-b7-dim.png)
使うスケールはBコンディミ。BオルタードスケールとBコンディミの違いは5thと13thです。
![BオルタードスケールとBコンディミの違い楽譜](https://www.jazzguitarstyle.com/column/dominant-sub/balterd-bdomidim.png)
#5thを使えばオルタード、5thと13thを使えばコンディミの響きになります。
BコンディミをG7から見た度数
![BコンディミをG7から見た度数](https://www.jazzguitarstyle.com/column/dominant-sub/bdiminished-on-g7.png)
7th(F#音)を使うことでアウト感を演出できます。
Bコンディミを使ったリック
![](https://www.jazzguitarstyle.com/column/dominant-sub/ii-v-i-lick-as-b7-dim.png)
B7(b9,13)を使ったコンピング
![B7を活用したコンピング楽譜](https://www.jazzguitarstyle.com/column/dominant-sub/ii-v-i-comping-with-b7-dim.png)
![G7をD7に代理した楽譜](https://www.jazzguitarstyle.com/column/dominant-sub/g7-to-d7.png)
D7で使えるスケールはDコンディミ。
DコンディミをG7から見た度数
![DコンディミをG7から見た時の度数楽譜](https://www.jazzguitarstyle.com/column/dominant-sub/ddiminished-on-g7.png)
Dコンディミを使ったリック
![Dコンディミを使ったII-V-Iリック](https://www.jazzguitarstyle.com/column/dominant-sub/ii-v-i-lick-as-d7.png)
D7(b9,#9)を使ったコンピング
![D7を活用したコンピング楽譜](https://www.jazzguitarstyle.com/column/dominant-sub/ii-v-i-comping-with-d7.png)
![G7をF7に代理した楽譜](https://www.jazzguitarstyle.com/column/dominant-sub/g7-to-f7.png)
F7で使えるスケールはFコンディミ。
FコンディミをG7から見た度数
![FコンディミをG7から見た度数楽譜](https://www.jazzguitarstyle.com/column/dominant-sub/fdiminished-on-g7.png)
Fコンディミを使ったリック
![Fコンディミを使ったII-V-Iリック楽譜](https://www.jazzguitarstyle.com/column/dominant-sub/ii-v-i-lick-as-f7-dim.png)
F7(b9,#9)を使ったコンピング
![F7を活用したコンピング](https://www.jazzguitarstyle.com/column/dominant-sub/ii-v-i-comping-with-f7.png)
![G7をAb7に代理した楽譜](https://www.jazzguitarstyle.com/column/dominant-sub/g7-to-ab7.png)
Ab7で使えるスケールはAbコンディミ。
AbコンディミをG7から見た度数
![AbコンディミをG7から見たときの度数楽譜](https://www.jazzguitarstyle.com/column/dominant-sub/abdiminished-on-g7.png)
Abコンディミを使ったリック
![Abコンディミを使ったII-V-Iリック](https://www.jazzguitarstyle.com/column/dominant-sub/ii-v-i-lick-as-ab7.png)
Ab7(b9,13)を使ったコンピング
![Ab7を活用したコンピング例楽譜](https://www.jazzguitarstyle.com/column/dominant-sub/ii-v-i-comping-with-ab7.png)
V7の代理に使えるドミナントまとめ
CメジャーキーのG7の代理で使えるドミナントは合計7つ。
代理コード | 使えるスケール | G7から見た度数 |
Db7 | Dbリディアンb7、Dbコンディミ | bV7 |
B7 | Bオルタード、Bコンディミ | III7 |
E7 | Eオルタード、Eコンディミ | VI7 |
Bb7 | Bbリディアンb7、Bbコンディミ | bIII7 |
D7 | Dコンディミ | V7 |
F7 | Fリディアンb7、Fコンディミ | bVII7 |
Ab7 | Abコンディミ | bII7 |
みなさんはいくつ使っていましたか?もし使ったことのない代理コードがあったら実践に取り入れてみてください。きっと演奏の幅が広がるはずです。
この記事へのコメント
アッパーストラクチャーについての質問させてください。
keyがCのDm7-G7-C△のとき、G7で、
A♭のトライアドは弾けますか?hp5を弾くイメージで。
また、Bトラアイド、Dトラアイドは、弾けますか?
はい。3つとも弾けます。
返信ありがとうございました。
え!ビックリです、、、
Bトライアドを弾くとG7からみると、F#の音が△7の音になりますが、大丈夫なんですか?
アウト感が出て面白いと思います。ぜひ弾いてみてください。
返信ありがとうございました。
名取さんの教則本は、アマゾンで買って持ってます。なかなか、読み進めていませんが、、、。
ありがとうございました。
m(_ _)m
教則本の購入ありがとうございます。ぜひじっくり取り組んでみてください。
また何か気になることがありましたら、いつでもコメントください。