ローズルームはアート・ヒックマン作曲のジャズスタンダード。ケニー・バレルはアルバム「ア・ジェネレーション・アゴー・トゥデイ」の5曲目で取り上げています。
ギター、ベース、ドラムのトリオ編成ですが、ケニー・バレルのアドリブ後にサックスのアドリブあり。ギタートリオでのメロディの弾き方や、フレージング、サックスが入ったときのコンピングの仕方など幅広く学べます。
音源と合わせながら楽譜を追ってみてください。
イントロ
Ab:Ab6(9)のフォームをスライドで半音アプローチ
B7:ディミニッシュのフォームを使ったB7(b9)
Bbm7:Bbm9(11)-Bbm9-Bbm11とつなぐコードソロ。
Bbm9(11)はAb6(9)と同じフォームを使っているのも見逃せないポイントです。
前テーマ・メロディ
9小節目=Db-7にすることが多いですが、ケニー・バレルはDbのままで弾いています。
11小節目=ベースはCを弾いているので正確に書くとAb/C(またはC-7)ですが、アドリブパートではベースがAbを弾く箇所もあるので、見易さを優先してAbに統一しています。
ギターアドリブ・ソロセクション
ソロの入りはAbマイナーペンタ+b5を使った王道フレーズ。
[E]セクション6小節目のコードソロはAb7をEbm7-Ab7にII-V化しています。
[F]セクション後半から6度音程を使ったフレージングが続きます。
サックスソロでのコンピング
3度と7度を使ったヴォイシングから、半音アプローチや先取り(アンティシペーション)を多用しています。
Eb7ではDb/Ebを使ってサスフォーの響きを多く使っています。
サックスソロ後のアドリブ
[I]セクションでは8小節、[J]セクションでは6小節にわたり、同じモチーフを使ってフレージングしています。
後テーマ・エンディング
前テーマ同様、ギタートリオでのメロディの弾き方のお手本です。
[L]8小節目からエンディングに向けて盛り上げ、9小節目はDb7を弾いています。
12小節目からのコード進行はエンディングでよく使われるII-V-I-VIです。
最後がフェードアウトになっているのも特徴です。
アルバム「A Generation Ago Today」
ケニー・バレルの演奏はもちろん、名曲揃いのアルバムです。
収録曲
- As Long as I Live” (Harold Arlen, Ted Koehler)
- Wholly Cats” (Benny Goodman)
- A Smooth One” (Goodman)
- I Surrender Dear” (Harry Barris, Gordon Clifford)
- If I Had You” (Jimmy Campbell, Reg Connelly, Ted Shapiro)
- Poor Butterfly” (John Golden, Raymond Hubbell)
- Stompin’ at the Savoy” (Goodman, Andy Razaf, Edgar Sampson, Chick Webb)
- Rose Room” (Art Hickman, Harry Williams)
この記事へのコメント
joyeさん ありがとうございます
大好きなテイクです
参考にさせて頂きます
jazz―ggさん、コメントありがとうございます。
楽しんで頂ければ幸いです。