Celia(シリア)はバド・パウエルのアルバム「Jazz Giant」の2曲目に収録されています。

リズムチェンジのフォームをもとにしていますが、Aセクションは大胆にアレンジされているのが特徴です。

音源を聴きながらリードシートを追ってみてください。


『Jazz Giant』

録音日:1949年2月23日
Bud Powell - piano
Ray Brown - bass
Max Roach - drums

Celiaリードシート

バド・パウエル作曲 Celiaのリードシート・ページ1楽譜
バド・パウエル作曲 Celiaのリードシート・ページ2楽譜

Celiaリードシートの作り方

リードシートは曲のサイズ、メロディ、コードネーム(ベースとピアノのコピー)の順番に作っていきます。まずは曲を聴いて全体像を軽くスケッチしておきましょう。
バド・パウエル作曲Celiaのサイズ作り楽譜

  • イントロ 8小節
  • テーマ A-A-B-A-C 各8小節=40小節
  • ソロセクション A-A-B-A
  • 後テーマ A-A-B-A エンディング

メロディをコピーする

メロディは前テーマ、後テーマ両方をコピーすることで正確性が増します。

前テーマ
バド・パウエル作曲Celiaの最初のメロディ楽譜

後テーマ
バド・パウエル作曲Celiaの終わりのメロディ楽譜

エンディング以外の違いはA’セクションの2箇所のみです。
バド・パウエル作曲Celiaのメロディ2回目のメロディ違う箇所楽譜
今回は楽譜の読みやすさを優先して2回目のメロディは表記せず1回目を採用しています。

ベースラインをコピーする

ジャズではベースがコードのルートを弾かないことも多いですが、ルートを弾いていると仮定してコードネームを仮で書いておきます。

前テーマベースライン
バド・パウエル作曲Celiaのベースライン最初のテーマページ1楽譜
バド・パウエル作曲Celiaのベースライン最初のテーマページ2楽譜
バド・パウエル作曲Celiaのベースライン最初のテーマページ3楽譜

後テーマベースライン
バド・パウエル作曲Celiaのベースライン後テーマページ1楽譜
バド・パウエル作曲Celiaのベースライン後テーマページ2楽譜

ベースラインをコピーしていくと、「ここは3度ベースかも」「ここはII-Vかも」などと予測ができるようになってきます。予測できる箇所はコードネームの上にメモしてきましょう。
バド・パウエル作曲Celiaのベースラインアナライズ例楽譜

ピアノのコンピングをコピーする

ピアノのヴォイシングはギターでは弾きづらいことが多いので、完コピではなく弾けるようにアレンジしていきます。

コードネームは、コピーしておいたベースラインと照らし合わせながら書いておきましょう。

前テーマピアノコンピング
バド・パウエル作曲Celiaのピアノコンピング最初のテーマ楽譜ページ1
バド・パウエル作曲Celiaのピアノコンピング最初のテーマ楽譜ページ2
バド・パウエル作曲Celiaのピアノコンピング最初のテーマ楽譜ページ3

イントロの2小節目はホールトーンスケールのサウンドが特徴です。
そのためコードネームにはホールトーンを想定する9(#11)のテンションを指定しています。

後テーマピアノコンピング
バド・パウエル作曲Celiaのピアノコンピング後テーマ楽譜ページ1
バド・パウエル作曲Celiaのピアノコンピング後テーマ楽譜ページ2

後テーマのコンピングはA''の最後にエンディングが付きます。それ以外は前テーマとほとんど変わっていません。

ベースとピアノを合わせてコードネームを付ける

ベースラインとピアノのヴォイシングを合わせたコードネームをメロディの上に書けばメロディ部分のリードシートは完成です。

バド・パウエル作曲Celiaメロディにコードネームを付けた楽譜

イントロを加え、エンディングをコーダとして付け足せばCeliaのリードシートが完成します。

Jazz Giant
録音日:1949年2月23日
Bud Powell - piano
Ray Brown - bass
Max Roach - drums