ここではマイルス・デイヴィスのアルバム「Round About Midnight」の5曲目に収録されているバージョンのリードシートを紹介します。

音源を聴きながらリードシートを追ってみてください。


『ROUND ABOUT MIDNIGHT』
発売日:1956年
Miles Davis - trumpet
John Coltrane - tenor saxophone
Red Garland - piano
Paul Chambers - bass
Philly Joe Jones - drums

Tadd's Delightリードシート

タッド・ダメロン作曲 Tadd's Delightのリードシート・ページ1楽譜
タッド・ダメロン作曲 Tadd's Delightのリードシート・ページ2楽譜

Tadd's Delightリードシートの作り方

リードシートは曲のサイズ、メロディ、コードネーム(ベースとピアノのコピー)の順番に作っていきます。まずは曲を聴いて全体像を軽くスケッチしておきましょう。
タッド・ダメロン作曲Tadd's Delightのサイズ作り楽譜

  • テーマ A-B-A-C 各8小節=32小節
  • ソロセクション A-B-A-C
  • 後テーマ A-B-A-C エンディング

メロディをコピーする

メロディは前テーマ、後テーマ両方をコピーすることで正確性が増します。

前テーマ
タッド・ダメロン作曲Tadd's Delightの最初のメロディ楽譜

後テーマ
タッド・ダメロン作曲Tadd's Delightの終わりのメロディ楽譜

トランペットとテナーサックスがオクターブ違いでユニゾンしているのが特徴です。
前テーマでは3箇所ユニゾンしていない箇所が出てきます。
タッド・ダメロン作曲Tadd's Delightのメロディハモリパート楽譜
楽譜として正確に書く場合は2声に分けますが、ここではキャプションを使って、上声がトランペット、下声がテナーサックスと表記しています。

ベースラインをコピーする

ベースがコードのルートを弾かないことも想定して、コピーしたベースラインからおおよそのコードネームを仮で書いておきます。

前テーマベースライン
タッド・ダメロン作曲Tadd's Delightのベースライン最初のテーマページ1楽譜
タッド・ダメロン作曲Tadd's Delightのベースライン最初のテーマページ2楽譜
後テーマベースライン
タッド・ダメロン作曲Tadd's Delightの後テーマベースラインページ3楽譜
タッド・ダメロン作曲Tadd's Delightの後テーマベースラインページ4楽譜

ピアノのコンピングをコピーする

ピアノのヴォイシングはギターでは弾きづらいことも多いので、完コピではなく弾けるようにアレンジしていきます。

コードネームは、コピーしておいたベースラインと照らし合わせながら書いておきましょう。

前テーマピアノコンピング
タッド・ダメロン作曲Tadd's Delightのピアノコンピング最初のテーマ楽譜ページ1

後テーマピアノコンピング
タッド・ダメロン作曲Tadd's Delightのピアノコンピング後テーマ楽譜ページ1

Tadd's Delightで特徴的なのは、ピアノが「A」セクションでしかコンピングしていないことです。
この場合は、メロディとベースラインから推測して他のセクションのコードネームを付けていくことになります。

ベースとピアノを合わせてコードネームを付ける

Aセクションはベースラインとピアノのヴォイシングを合わせたコードネームをメロディの上に書きます。
それ以外のセクションはメロディとベースラインからコードネームを導きます。

タッド・ダメロン作曲Tadd's Delightメロディにコードネームを付けた楽譜

ジャズスタンダードの多くはメロディとソロセクションのコード進行が同じなので、
コード付けが分からないときはソロセクションのコード進行を参考にするのもおすすめです。