コンピング

マイナーブルースでコンピングする基本の練習方法

マイナーブルースは、主にマイナーキーのI、IV、Vといった主要なコードで構成されているので、コンピング練習の入門曲としておすすめです。

ここでは、各コードの3度と7度を使った基本のコンピングから、リズムアレンジ、テンションコードへと発展させていく方法を紹介します。

コンピングは基本さえ覚えてしまえば様々なジャズスタンダードに応用させることができるようになります。

まずはじっくりと取り組んでみてください。

 

*コンピング(comping)の語源は伴奏の意味のアカンパニー(accompany)で、ジャズではバッキングのことをコンピングと呼びます。

マイナーブルースのコード進行

キーCmのマイナーブルース、基本のコード進行を例に練習していきます。

コンピング用カラオケ

キーCmのマイナーブルース、基本のコード進行楽譜

コンピングの基本はコード進行の響きを覚えることです。まずはコードの構成音(コードトーン)を使ったコンピングから練習しましょう。

3度と7度を使って弾いてみよう

コードトーンの中でコードの性質を決めるのは3度と7度です。この2音の響きを覚えればコード進行の土台を覚えたことになります。

Cマイナーブルースで使われる各コードの3度と7度の配置を確認しましょう。

Cm7のb3度とb7度の配置
Cm7のb3rdとb7thの指板上の配置ダイアグラム

 

Fm7のb3度とb7度の配置
Fm7のb3rdとb7thの指板上の配置ダイアグラム

 

Ab7の3度とb7度の配置
Ab7のb3rdとb7thの指板上の配置ダイアグラム

 

G7の3度とb7度の配置
G7のb3rdとb7thの指板上の配置ダイアグラム

各コードの3度と7度の配置を覚えたら、自由にポジションを選んで弾いてみましょう。

次のコードに移るときになるべく近いポジションを選んで弾くとスムーズになります。

3度と7度を使ったコンピング

各コード3rdと7thを使ったCマイナーブルースでのコンピング楽譜

他のポジションでも試して、指板上の3度と7度が見えてきたらリズムを加えてみましょう。

リズムを加えてみよう

ここでは2分、4分、8分音符を使ったリズムを3つ紹介します。

リズム1
コンピング用リズム1楽譜
リズム2
コンピング用リズム2楽譜
リズム3
コンピング用リズム3楽譜

上記のリズムを加えて、3度と7度のコンピングを弾いてみましょう。

リズムを使ったコンピング

各コード3rdと7thを使ったCマイナーブルースでのコンピングにリズムを加えた楽譜

さらに3度と7度のポジションを移動させていくと幅が広がります。

ポジションを動かしたコンピング

各コード3rdと7thのフォームを動かしたCマイナーブルースでのコンピングにリズムを加えた楽譜

リズムを加えるのに慣れてきたら音を追加して、よりジャズらしい響きにしていきましょう。

ボイシングを覚えよう

各コードで使えるスケールの音を、コードボイシングのトップノートに持ってきたフォームを覚えてみましょう。

Cm7ではCドリアンスケールが使えるので、ドリアンスケールを2弦のトップに持ってきたボイシングから紹介します。

(丸のついていない度数は追加できる音です)

2弦トップ音をCドリアンスケールにしたCm7のボイシング

Cm7の2弦トップ音をルートにしたコードフォームダイアグラム Cm7の2弦トップ音を9thにしたコードフォームダイアグラム Cm7の2弦トップ音をb3rdにしたコードフォームダイアグラム Cm7の2弦トップ音を11thにしたコードフォームダイアグラム Cm7の2弦トップ音を5thと6thにしたコードフォームダイアグラム Cm7の2弦トップ音をb7thにしたコードフォームダイアグラム

1弦トップ音をCドリアンスケールにしたCm7のボイシング

Cm7の1弦トップ音を11thにしたコードフォームダイアグラム Cm7の2弦トップ音を5thと6thにしたコードフォームダイアグラム Cm7の1弦トップ音をb7thにしたコードフォームダイアグラム Cm7の1弦トップ音をルートにしたコードフォームダイアグラム Cm7の1弦トップ音を9thにしたコードフォームダイアグラム Cm7の1弦トップ音をb3rdにしたコードフォームダイアグラム

Fm7はCm7と同じくドリアンスケールが使えるので、Cm7のボイシングを平行移動させればFm7のボイシングとして使うことができます。

2弦トップ音をFドリアンスケールにしたFm7のボイシング

Fm7の2弦トップ音を5thと6thにしたコードフォームダイアグラム Fm7の2弦トップ音をb7thにしたコードフォームダイアグラム fm7の2弦トップ音をルートにしたコードフォームダイアグラム fm7の2弦トップ音を9thにしたコードフォームダイアグラム Fm7の2弦トップ音をb3rdにしたコードフォームダイアグラム Fm7の2弦トップ音を11thにしたコードフォームダイアグラム

1弦トップ音をFドリアンスケールにしたFm7のボイシング

Fm7の1弦トップ音をルートにしたコードフォームダイアグラム Fm7の1弦トップ音を9thにしたコードフォームダイアグラム Fm7の1弦トップ音をb3rdにしたコードフォームダイアグラム
Fm7の1弦トップ音を11thにしたコードフォームダイアグラム Fm7の2弦トップ音を5thと6thにしたコードフォームダイアグラム Fm7の1弦トップ音をb7thにしたコードフォームダイアグラム

Ab7ではAbリディアンb7スケールが使えるので、Abリディアンb7スケールの音をトップに持ってきます。

2弦トップ音をAbリディアンb7スケールにしたAb7のボイシング

Ab7の2弦トップ音を3rdと#11にしたコードフォームダイアグラム Ab7の2弦トップ音を5thにしたコードフォームダイアグラム Ab7の2弦トップ音を13thにしたコードフォームダイアグラム Ab7の2弦トップ音をb7thにしたコードフォームダイアグラム Ab7の2弦トップ音をルートにしたコードフォームダイアグラム Ab7の2弦トップ音を9thにしたコードフォームダイアグラム

1弦トップ音をAbリディアンb7スケールにしたAb7のボイシング

Ab7の1弦トップ音を13thにしたコードフォームダイアグラム Ab7の2弦トップ音をb7thにしたコードフォームダイアグラム Ab7の1弦トップ音をルートにしたコードフォームダイアグラム Ab7の1弦トップ音を9thにしたコードフォームダイアグラム Ab7の1弦トップ音を3rdにしたコードフォームダイアグラム Ab7の1弦トップ音を#11thと5thにしたコードフォームダイアグラム

G7ではGオルタードスケールが使えるので、Gオルタードスケールの音をトップに持ってきます。

2弦トップ音をGオルタードスケールにしたG7のボイシング

G7の2弦トップ音を#11と5thにしたコードフォームダイアグラム G7の2弦トップ音をb7thにしたコードフォームダイアグラム G7の2弦トップ音をルートとb9thにしたコードフォームダイアグラム G7の2弦トップ音を#9thにしたコードフォームダイアグラム G7の2弦トップ音を3rdにしたコードフォームダイアグラム

1弦トップ音をGオルタードスケールにしたG7のボイシング

G7の1弦トップ音をb7thにしたコードフォームダイアグラム G7の2弦トップ音をルート、b9th、#9thにしたコードフォームダイアグラム G7の1弦トップ音を3rdにしたコードフォームダイアグラム G7の1弦トップ音を#11thにしたコードフォームダイアグラム G7の1弦トップ音を#5thにしたコードフォームダイアグラム

上記で紹介した以外にも多くのボイシングがあるので、いろいろな組み合わせを試して自分好みのボイシングを作ってみてください。

トップの音を意識しよう

コードボイシング選びで大切なのはトップの音を意識することです。

トップの音の動かし方には、大きく分けて

  • そのまま維持する
  • 上昇させる
  • 下降させる
  • 自由に動かす

の4つがあります。それぞれどんな響きになるか弾いてみましょう。

トップの音を維持

各コードトップの音を維持させるコンピング楽譜

トップの音を上昇

各コードトップの音を上昇させるコンピング楽譜

トップの音を下降

各コードトップの音を下降させるコンピング楽譜

上昇、下降させることで、どのポジションでもすぐにボイシングを見つけられるようになります。

最後はトップの音を自由に動かしてみましょう。2分音符を使って音数も増やしています。

トップの音を自由に動かす

各コードトップの音を自由に動かすコンピング楽譜

トップの音を自由に動かせるようになったら、リズムを加えて自由にコンピングしてみましょう。

コンピング例

トップの音とリズムを自由に組み合わせたコンピング例です。

マイナーブルースでのコンピング

マイナーブルースでのコンピング例ページ1楽譜
マイナーブルースでのコンピング例ページ2楽譜

コンピングで大切なことは、ソロをとっている人に気持ちよく演奏してもらうことです。

ソロの出だしに合わせて音数を少なくしたり、ソロのフレーズに合わせて盛り上げたりなど、ソロイストの演奏をよく聴きながらコンピングすることを心がけてみてください。

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