アプローチノートはメロディを装飾する音の総称です。ジャズのアドリブはメロディとアプローチノートが絶妙に組み合わせって出来上がっています。アプローチノートの仕組みが分かると、演奏を分析するときやリックを作るときに役立ちます。ここではこのサイト独自のアプローチノートの定義と、分析法、オリジナルのリックの作り方を紹介していきます。

アプローチノートの定義

アプローチノートはもともとコードトーンを装飾する音、つまりコードトーン以外の音を指していました。CMa7を例にすると、C-E-G-Bがコードトーン。D-F-Aのテンションとそれ以外の音C#-D#-F#-G#-A#がアプローチノートになります。
CMa7上のコードトーンとテンションとアプローチノート楽譜
現在ではテンションもコードトーンとして扱うようになってきているので、どの音もアプローチノートとして使うことができます。
CMa7上のコードトーンとアプローチノート楽譜
まずは4和音のコードトーンに対して使うアプローチノートを見ていきましょう。

5つのアプローチノート

アプローチノートはその使い方によって名前が付けられています。特によく使われる5つを紹介します。

パッシングトーン(PT)

コードトーン同士をスムーズにつなげる音をパッシングトーンと呼びます。

CMa7上のCメジャースケールのパッシングトーン楽譜

ネイバートーン(NT)

コードトーンの隣の音をネイバートーンと呼びます。

CMa7上のCメジャースケールのネイバートーン楽譜

チェンジングトーン(CT)

上下、または下上からはさみこむ音をチェンジングトーンと呼びます。はさみこむ音がネイバートーンになることから、ダブルネイバートーンとも呼ばれます。

CMa7上のCメジャースケールのチェンジングトーン楽譜

エスケープトーン(ET)

逆方向へ進んでからコードトーンへ進む音をエスケープトーンと呼びます。

隣合うコードトーンに対して使うエスケープトーン

CMa7上のCメジャースケールのエスケープトーン3度音程楽譜

1つおきのコードトーンに対して使うエスケープトーン

CMa7上のCメジャースケールのエスケープトーン5度音程楽譜

2つおきのコードトーンに対して使うエスケープトーン

CMa7上のCメジャースケールのエスケープトーン7度音程楽譜

アポジャトゥーラ(APP)

コードトーンを飛び越えてからコードトーンに進む音をアポジャトゥーラと呼びます。

隣合うコードトーンに対して使うアポジャトゥーラ

CMa7上のCメジャースケールのアポジャトゥーラ3度音程楽譜

1つおきのコードトーンに対して使うアポジャトゥーラ

CMa7上のCメジャースケールのアポジャトゥーラ5度音程楽譜

2つおきのコードトーンに対して使うアポジャトゥーラ

CMa7上のCメジャースケールのアポジャトゥーラ7度音程楽譜

以上5つがよく使われるアプローチノートです。これさえ覚えておけば実際の演奏の分析もできるようになります。

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リックを分析してみよう

アプローチノートの使い方を覚えるのはリックを分析するのが効率的です。

リック1

よくあるジャズリック1楽譜
分析するときはコードトーンを抜き出します。

コードトーン

よくあるジャズリック1のコードトーン楽譜

コードトーンにどのアプローチノートを使っているかを分析します。

アプローチノート
よくあるジャズリック1のアプローチノート楽譜

1拍目の3rdへは半音上のネイバートーン。3拍目のルートへは上下のチェンジングトーン。4拍目の3rdへは全音下のネイバートーンを加えています。

リック2

よくあるジャズリック2楽譜
コードトーンを抜き出します。

コードトーン

よくあるジャズリック2のコードトーン楽譜

コードトーンにどのアプローチノートを使っているかを分析します。

アプローチノート
よくあるジャズリック2のアプローチノート楽譜

このようにリックはシンプルなコードトーンのメロディから作られているのが分かります。分析はとくにかく数をこなすことで身についてくるので、カッコイイと思ったリックはどんどん分析してみましょう。

リックを作ってみよう

リックが分析できるようになれば、その逆をすることで作ることもできます。まずはコードトーンを使ったシンプルなメロディを作ります。

コードトーンを使ったメロディ1

コードトーンを使ったメロディ1楽譜

好きなアプローチノートを加えます。

アプローチノートを加えたメロディ1
コードトーンを使ったメロディ1にアプローチノートを加えた楽譜

3拍目のルートへはパッシングトーン。2小節目のルートへは上下のチェンジングトーン。2拍目の3rdへはネイバートーン。3拍目の5thへはパッシングトーンを加えています。

完成したリック1

完成したリック1の楽譜

コードトーンを使ったメロディ2

コードトーンを使ったメロディ2楽譜

好きなアプローチノートを加えます。

アプローチノートを加えたメロディ2
コードトーンにアプローチノートを加えたメロディ2楽譜

1拍目のルートへはそれぞれチェンジングトーン。3拍目の5thへはアポジャトゥーラを使いました。

完成したリック2

完成したリック2の楽譜

コードトーンのメロディに対しアプローチノートを加えることで、ジャズらしいメロディに作り変えることができます。はじめのうちは、コードトーンのメロディを作ってからアプローチノートを加える練習がおすすめですが、慣れてくるとアプローチノートを加えた状態のメロディを瞬時に作り出せるようになります。そしてそれがアドリブになるのです。

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