ジャズとロックを兼用できるアンプ探しのヒント
現在、フェンダーのブルースジュニア(15W)を検討していますが、ドラムや管が入る大音量だと歪んでしまわないか心配です。
また、フェンダーアンプでジャズを弾くのは邪道でしょうか?逆に、定番のポリトーンでロックをやるのは無謀ですか?
1台でカバーするならデラリバ
自宅での練習環境を維持しつつ、セッションからロックバンドのライブまで賄うなら、デラックスリバーブ(Deluxe Reverb / 約22W)が選択肢に入ると思います。
私も愛用していますが、自宅の練習からロック系のライブまで十分にこなしてくれています。ただ、自宅ではボリュームを3くらいまでしか上げられない点や、重くて持ち運びが大変という問題はあります。
ブルースジュニア(15W)の限界
ブルースジュニアは試したことがないですが、出力「15W」でドラムやホーンセクションに合わせて音量を上げると、音が歪んでしまうかと思います。
ジャズらしい「太く歪みのないクリーン」をキープしたまま、大音量でアンサンブルに混ざるには、最低でも20W〜40Wクラスの出力が必要になるはずです。
フェンダーアンプは王道
「ジャズ=ポリトーンなどのソリッドステートアンプ」というイメージが強いかもしれませんが、フェンダーの真空管アンプが生み出すクリーン・トーンは、多くのジャズ・ジャズギタリストに愛されています。
デラックスリバーブやツインリバーブは、真空管特有の艶やかで太い中低音を持っていて、ギターのトーンを少し絞るだけで、極上のジャズトーンになります。
もちろんブルースジュニアでも、自宅や静かなバーセッションであれば、十分に甘く温かいジャズの響きを作ることができると思います。決して邪道ではありませんので安心してください。
フェンダー系使用のギタリスト
フェンダーの真空管アンプは、その極上のクリーン・トーンと適度なパワー感から、多くのモダン・ジャズギタリストのファーストチョイスとなっています。YouTubeに映像がある代表的なギタリストをご紹介します。
ビル・フリゼール
独自の浮遊感あるサウンドとエフェクターワークで唯一無二の世界観を築く巨匠。以下の動画ではデラックスリバーブを使ったアンプ直のサウンドが聴けます。
ピーター・バーンスタイン
現代の王道ジャズギターを牽引する名手。エフェクター類を一切使わず、フェンダーの真空管アンプに直結するスタイルを徹底しています。以下の動画ではVibrolux Reverbを使ったピュアなサウンドが聴けます。
ジュリアン・レイジ
現代ジャズギター界の最高峰プレイヤー。フェンダー系のMagic Amps Vibro Deluxeを愛用していて、ギター本来の鳴りを損なわない極めてダイナミックで透明感のあるトーンを紡ぎ出しています。
ポリトーンでロックは無謀
やれないこともないですが、おすすめはできません。
ポリトーンのメガブルートは、ジャズギターの「原音」を歪みなくストレートに、かつ甘い中低域を強調して出力することに特化したトランジスタアンプです。
アンプ自体が非常にフラットで「高音域のきらびやかさ」や「ロック特有の倍音」を持っていません。そのため、歪みエフェクターを繋いでも、高域のジリジリした嫌な部分だけが浮いてしまったり、音が硬く冷たい質感になってしまったりと、ロックアンプ特有の「粘りと抜け感」を出すのは不可能に近いと思います。
「歪まないアンプが好きで、常にエフェクターで作った冷たくモダンなクリーン〜クランチしか使わない」という極端なプレイスタイル(例えばビル・フリゼールのような特殊なトーンアプローチ)であれば試す価値はありますが、いわゆる「王道のロック」を求めるなら、ポリトーンは完全にミスマッチとなってしまいます。
まとめ・実践アドバイス
アンプ選びは、自分のプレイスタイルと演奏する環境のバランスで決まります。
■ アンプ1台にするなら
フェンダーのデラックスリバーブが最有力候補です。自宅での音量調節には少し気を使いますが(ボリューム2〜3程度)、セッションからロックのライブまで、どのようなジャンルでも最高のパートナーになってくれます。
■ 使い分けるなら
「ロックはスタジオのマーシャルに任せ、自分はジャズに特化する」と割り切ります。ポリトーンは現在入手困難ですが、同じような性能を持つAERのCompact 60(旧Bingo 2)は現行品があるので、ぜひ試してみてください。

