リードシートで使われる記号の意味を知っておくと、楽譜を見ながら演奏するときや、自分でリードシートを作るときに役立ちます。
ここではjazzguitarstyle.comで公開しているリードシートで使っている記号を紹介します。
どれも楽譜を読むために必須の基本的なものなので、しっかり覚えて活用してみてください。
演奏に関する記号
演奏に関する記号には、主にスラッシュが使われます。「拍を見やすくする」、「リズムを分かりやすくする」、「前の音と同じ音を弾く(省略表記)」の3種類があります。
スラッシュ表記
五線譜に書かれた斜線がスラッシュです。拍子に合わせた数だけ斜線を引きます(4分の4拍子なら4つ)。

メロディのないアドリブセクションなので、拍を見やすくするために使われることが多いです。演奏内容は演奏者に委ねるという意味も含まれているので、その曲にあったコードやリズム、アドリブを演奏します。
リズム表記
スラッシュにリズムをつけた表記法です。キメのリズムがある曲や、特定のリズムを指定するときに使います。

ボイシングは指定されていないので、自由に選んで弾くことができます。
コードボイシングの省略表記
前のコードボイシングと同じものを弾いて欲しいときに使う省略表記です。

タブ譜ではよく使われますが、リードシートなどの五線譜のみの楽譜ではあまり使われません。
トップノートだけを記譜する場合も省略表記としてスラッシュが使えます。

繰り返し記号
繰り返し記号には、1、2、4小節の繰り返しと、指定範囲の繰り返しがあります。
1小節の繰り返し
前の1小節と同じ演奏をして欲しいときに使います。

譜例はそれぞれ前の小節と同じリズムとコードで弾くことを意味します。
2小節の繰り返し
前の2小節と同じ演奏をして欲しいときに使います。

コードは変わりますが、リズムは前の2小節と同じものを弾く、という意味になります。
4小節の繰り返し
前の4小節と同じ演奏をして欲しいときに使います。

コードは変わりますが、リズムは前の4小節と同じものを弾く、という意味になります。
リピートマーク
特定の小節間を繰り返したいときに使います。

この譜例は1〜4小節を繰り返すことを意味します。
1カッコ、2カッコを使った繰り返し
リピートした後、演奏内容を変えたいときに使います。

この譜例はリピートした後、Fm7には行かず2カッコのあるBbm7に進みます。
D.C.、D.S.、コーダ、フィーネ
リピートマークの次によく使われるのが、D.C.、D.S.、コーダ、フィーネです。それぞれ組み合わせて使います。
D.C.(ダ・カーポ)
D.C.(ダ・カーポ)は曲の頭に戻る記号です。多くの場合、コーダやフィーネとセットで使われます。

D.C. Al Cadaはダ・カーポしてコーダに進むという意味です。

D.S.(ダル・セーニョ)
D.S.(ダル・セーニョ)はDSマークのある場所に戻るために使います。

譜例では[A]にDSマークがあるので、D.S.al Codaから[A]に戻ります。

Fine(フィーネ)
Fine(フィーネ)は曲の最後ではなく、特定の場所で曲を終わらせたいときに使います。

この譜例では、D.C.al Fineから曲頭(INTRO.)に戻ったあと、Fineのある4小節目で終わります。

リードシートで使われる記号まとめ
スラッシュ表記
スラッシュ表記+リズム
1小節の繰り返し
2小節の繰り返し
4小節の繰り返し
リピートマーク
セーニョ
コーダ
コーダの飛ぶ先
フィーネ
ダ・カーポ アル フィーネ
ダ・カーポ アル コーダ
ダル・セーニョ アル コーダ
最初は、全てを一度に覚えられなくても大丈夫です。
実際のリードシートを見ながら、「この記号はどういう意味だっけ?」と、この記事を辞書がわりに何度も見返してみてください。
そうして実践を繰り返すうちに、いつの間にか楽譜が読めるようになっているはずです。