CountdownはJohn Coltraneジョン コルトレーンのアルバム「Giant Steps」の3曲目に収録されています。

2-5-1進行をコルトレーン流にリハモした通称コルトレーンチェンジを使った名曲。テンポは驚異の340超え。

前テーマはなくコルトレーンのアドリブがドラムとのデュオで繰り広げられます。コルトレーンのすごさがよくわかる楽曲です。ぜひ音源を聴きながら楽譜を追ってみてください。

1959年5月2日録音
John Coltrane – tenor saxophone
Tommy Flanagan – piano
Paul Chambers – bass
Art Taylor – drums

※John Coltrane作曲の楽曲はパブリックドメインになっています

Countdownリードシート完成版

John Coltrane作曲『Countdown』のリードシート楽譜

コルトレーンチェンジができるまで

Countdownの元になった曲はMile Davis作曲のTune Upです。

Tune Upのコード進行

Tune Upのコード進行楽譜

1~12小節目のII-V-Iの連続をコルトレーン流にアレンジしたのがCountdown。今ではこのリハモの手法をコルトレーンチェンジと呼んでいます。

コルトレーンチェンジの役割

コルトレーンチェンジはII-V-Iに変わるターンアラウンドとして考案されました。II-V-Iが同じキー内で進行するのに対し、コルトレーンチェンジはキーが変わります。

コルトレーンチェンジの基本・長3度音程の下降

コルトレーンチェンジの元になるコード進行楽譜

DMa7から長3度ずつ下降してDMa7に戻ってきます。このターンアラウンドをII-V-Iのリハモとして使ったのがコルトレーンチェンジです。

BbMa7、GbMa7、DMa7に対するV7を追加

各トニックにV7コードを加えた楽譜

最初のDMa7をEm7にするとCountdownのコード進行になります。

Countdownの1〜4小節目

Countdown1〜4小節目のコード進行楽譜

Dメジャー、Bbメジャー、Gbメジャーの3つのキーが出てくることから3トニックシステムと呼ぶこともあります。

リードシートができるまで

リードシートは曲のサイズ、メロディ、コードネーム(ベースとピアノのコピー)の順番で音を採って作ります。まずは曲を通して聴いて構成の把握からです。

Countdownのサイズ楽譜

曲の全体像がスケッチできたら音をコピーしていきます。

メロディをコピーする

Countdownは前テーマがないので後テーマとエンディングをコピーします。

Countdownのメロディ楽譜

ベースラインをコピーする

ベースはコードのルートを弾いているとは限りませんが、ルートと仮定してコードネームを書きます。

Countdownのベースライン楽譜ページ1
Countdownのベースライン楽譜ページ2

ピアノをコピーする

ピアノのボイシングをギターで弾きやすいようにアレンジしてコピーしていきます。コンピングのアイデアにもなるので一石二鳥です。

サックスソロ5コーラス目からのコンピング

サックスソロのピアノコンピング楽譜

後テーマ、エンディングのピアノコンピング

Countdown後テーマのピアノコンピング楽譜ページ1
Countdown後テーマのピアノコンピング楽譜ページ2

メロディ、ベース、ピアノをまとめる

コピーしたメロディ、ベース、ピアノをまとめてリードシートにしていきます。

ピアノのコードを基準に、ベースがルート以外を弾いている箇所はオンベースで記譜します。

タイトル周りを加えればリードシートの完成です。

Countdownのリードシート楽譜

アルバム『Giant Steps』

名盤中の名盤。Countdownの他にもGiant Steps、Naima、Mr. P.C.など名曲ぞろいのアルバムです。

『GIANT STEPS 』

発売日: 1960/1/27
John Coltrane - tenor saxophone
Tommy Flanagan - piano
Paul Chambers - bass
Art Taylor - drums