今回は、ウェス・モンゴメリーの3拍子フレージングから、Bb7コード上で使えるリックを紹介します。シンプルながらクロマチックの使い方にWesらしさが詰まったリックで、ブルース進行の中でも効果的に使えます。

5度へのクロマチックが光る
このリックはBb7の5度へのクロマチックが特徴で、ジャズらしさを自然に演出しています。

コードトーンに対してクロマチックでアプローチするフレージングはジャズでよく用いられる手法です。

解決音がコードトーンであれば、出だしの音は何を弾いてもかまいません。大切なのは「フレーズの着地音」です。
リックを自分のものにする3つのヒント
- ゆっくり弾いてリックを身体に覚え込ませる
- 次に、自分が弾ける限界の速さまで挑戦し、最も「カッコいい」と感じるテンポを見つける
- 音使いを少し変えて、自分だけのオリジナルリックに進化させる
クロマチックの音使いに慣れていない場合は、まず5度へのクロマチック・アプローチだけ何度も弾いて響きを覚えましょう。
次に自分が弾ける限界の速さを試します。
どのくらいの速さで弾くとカッコよく感じるのかを探り、そのテンポで練習を重ねます。
リックに慣れてきたら、キーを変えてみましょう。このとき、単にポジションを平行移動させるのではなく、同じフレット範囲内で弾けるように工夫することが重要です。
Eb7に移調したリック

キーを変えることでイヤートレーニングにもなります。
次に自分なりのアレンジを加えてオリジナルリックへと発展させていきましょう。
このリックの特徴はコードトーンへのクロマチックアプローチ。その部分は活かしつつ他の音を変化させてみましょう。
5度へ下降するアプローチ

3度へアプローチ

リックの核となる特徴を活かしながらアレンジすることで、元々のリックが持つカッコよさを保ちつつ、自分だけのオリジナル要素を盛り込むことが可能です。
クロマチックを練習に取り入れる
ウェス・モンゴメリーの魅力は、複雑な音楽理論よりも、グルーヴ感と歌心に満ち溢れたフレージングにあります。今回のリックも、短いながらそのエッセンスが詰まっていて、3拍子での自然なリズム感や、クロマチックの響きを学ぶのにぴったりです。
シンプルなフレーズこそ、自分の演奏にどう馴染ませるかが大切です。テンポを落として繰り返し弾きながら、自分のものにしていきましょう。
リックをコピーするだけで終わらせず、他のコードや拍子にも応用して、あなただけのジャズリックに育ててください。
次回も、3拍子をテーマにしたWesの名フレーズを紹介します!
出典音源とアルバム情報
The Incredible Jazz Guitar Of Wes Montgomery