リズムチェンジは1930年にジョージ・ガーシュインが作曲した「I Got Rhythm」を基にしたコード進行のことです。
I Got Rhythmのコード進行(Chord Changes)が徐々に省略され「I Got Rhythm Chord Changes」=「I Got Rhythm Changes」=「Rhythm Changes」=リズムチェンジと呼ばれるようになりました。
ジャムセッションなどで「リズムチェンジ」という場合はI Got Rhythmを基にしたコード進行を指します。
ここではI Got Rhythmのコード進行と、現在主流のコード進行、そのバリエーションを紹介していきます。
I Got Rhythmのコード進行

[A’]セクションが10小節なのが特徴です。
現在主流のリズムチェンジのコード進行
リズムチェンジではI Got Rhythm最後の2小節を無くし32小節で演奏されます。
「I-VIm7-IIm7-V7」という循環するコード進行が使われていることから、「循環もの」と呼ぶこともあります。
リズムチェンジ[A]セクション1〜4小節目のバリエーション
リズムチェンジのバリエーションはたくさんありますが、その中でもよく使われるものを紹介します。
3小節目のBbMa7をDm7にリハモ
F7をDm7に向かうA7にリハモ
G7、A7をそれぞれディミニッシュにリハモ
1〜2小節目をDm7に向かうII-Vの連結にリハモ
II-Vの連結の裏コードを使ってリハモ
5小節目のBb7へ向かうII-Vの連結でリハモ
Bb1発にリハモ
リズムチェンジ[A]セクション5〜8小節目のバリエーション
Bb7をFm7-Bb7のII-Vに分解
BbMa7をDm7にリハモ
Dm7へ半音上のEbm7からアプローチ
G7に対するV7(D7)の裏コードAb7にリハモ
リズムチェンジ[B]セクションのバリエーション
3、5小節目のV7を裏コードにしたリハモ
V7をそれぞれII-Vに分解
3、5小節目の裏コードを含めII-Vに分解
1、3小節目のV7を裏コードにリハモ
1、3小節目の裏コードを含めII-Vに分解
Am7に向かって半音アプローチのII-Vを使ったリハモ
リズムチェンジのリハモは代理コード、裏コード、II-V化、半音アプローチの4つを組み合わせてできているのが特徴です。
リズムチェンジを元にした曲
以下作曲者別のリズムチェンジを元にした曲一覧です。Spotifyでプレイリストを作ったので聴いてみてください。
おすすめの練習用カラオケ
全キーのリズムチェンジのカラオケが収録されているJamey AebersoldのVol.47がおすすめです。全編英語ですが35ページの教則部分もあり、練習方法やコード進行のバリエーションが学べます。
ギタリストが弾くリズムチェンジ
ウェブ・モンゴメリー
パット・マルティーノ
ジョージ・ベンソン
ジョー・パス
グラント・グリーン
パット・メセニー
ジョン・スコフィールド
マイク・スターン
アダム・ロジャース
ピーター・バーンスタイン
カート・ローゼンウィンケル
マイク・モレーノ
ギラッド・ヘクセルマン
ジャズの登竜門とも言える「リズムチェンジ」。その構造を理解し、少しずつボキャブラリーを増やしていけば、これほどスリリングで楽しいコード進行はありません。
この記事を参考に、お気に入りのリズムチェンジを見つけて、聴き込むことから始めてみてください。