マイナーブルースはマイナーキーのコードで作るブルースのことです。12小節で1コーラス、主にI-IV-Vのコードを使います。
マイナーペンタトニックスケールのみでもアドリブできますが、よりジャズらしく演奏するには、マイナーブルースの曲をたくさん知っておくことが大切です。
曲を多く知っているほどアドリブ中の選択肢が増え、表現の幅が広がります。
そこで、ここではマイナーブルースのコード進行を使っている曲を30曲以上集めました。まずは「弾いてみたい!」「カッコいい!」と思う曲を探して、アドリブパートも歌えるくらい聴き込んでみてください。
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ディジー・ガレスピー作曲
Birks’ Works
II-Vを使ったビバップらしい進行になっているのが特徴です。
ディジー・ガレスピーのアルバム「Birks’ Works」の2曲目に収録。
ジジ・グライス作曲
Blue Lights
II-VとV7の裏コードを使った進行になっているのが特徴です。
アート・ファーマーとジジ・グライスのアルバム「When Farmer Met Gryce」の7曲目に収録。
クリフォード・ジョーダン作曲
Evil Eye
クリフォード・ジョーダンとジョン・ギルモア のアルバム「Blowing in from Chicago」の5曲目に収録されています。
ナット・アダレイ作曲
One for Daddy-O
キャノンボール・アダレイのアルバム「Somethin’ Else」の4曲目に収録されています。
ベニー・ゴルソン作曲
Five Spot After Dark
カーティス・フラーのアルバム「Blues-ette」の1曲目に収録されています。
ジョン・コルトレーン作曲
Mr.P.C.
Birks’ Worksとは対照的にII-Vを使わないコード進行です。これがマイナーブルースの基本形になります。
ジョン・コルトレーンのアルバム「Giant Steps」の7曲目に収録。
Equinox
アルバム「Coltrane’s Sound」の5曲目に収録。スローテンポで演奏されているのが特徴です。
Chronic Blues
ジョン・コルトレーンのアルバム「Coltrane」の6曲目に収録されています。
ジョー・ヘンダーソン作曲
Out of the Night
11小節目がIV7-bII7になっているのが特徴です。アドリブセクションの途中からは通常のIm7になっています。
ジョー・ヘンダーソンのアルバム「Page One」の6曲目に収録。
J・J・ジョンソン作曲
Minor Blues
9小節目にV7ではなくVm7を使っているのが特徴です。
J・J・ジョンソンのアルバム「Proof Positive」の4曲目に収録。
オリヴァー・ネルソン作曲
Stolen Moments
アドリブセクションのコード進行
テーマのコード進行はアレンジされていますが、アドリブセクションはマイナーブルースになっています。
オリヴァー・ネルソンのアルバム「The Blues and the Abstract Truth」の1曲目に収録。
チャールズ・ミンガス作曲
Boogie Stop Shuffle
メジャーキーのブルースをそのままマイナーキーにしたコード進行。I-IV-Vのみでできています。
チャールズ・ミンガスのアルバム「Mingus Ah Um」の3曲目に収録。
ミルト・ジャクソン作曲
Bags & Trane
ミルト・ジャクソン&ジョン・コルトレーンのアルバム「Bags & Trane」の1曲目に収録されています。
リー・モーガン作曲
New-Ma
アルバム「The Cooker」の5曲目に収録されています。
The Lion and the Wolf
アルバム「Lee-Way」の2曲目に収録されています。アドリブセクションは通常のマイナーブルース進行です。
The Midget
アルバム「Paris Jam Session」の3曲目に収録されています。
Raggedy Ann
アルバム「Take Twelve」の1曲目に収録されています。3曲目に収録されているLee-Sure TimeもBbマイナーブルースです。
アート・ファーマー作曲
Mox Nix
アート・ファーマーのアルバム「Modern Art」の1曲目に収録されています。
デクスター・ゴードン作曲
Blues Bikini
アドリブセクションではマイナーブルース以外のコード進行が加わっています。
デクスター・ゴードンのアルバム「On Dial, The Complete Sessions」の11曲目に収録。
ホレス・シルヴァー作曲
Señor Blues
5、6小節目がbVI7になっているのが特徴です。
ホレス・シルヴァーのアルバム「6 Pieces of Silver」の5曲目に収録。
The Jody Grind
9、10小節目のコード進行がVII7-bII7になっているのが特徴です。
ホレス・シルヴァーのアルバム「The Jody Grind」の1曲目に収録。
ウェイン・ショーター作曲
Footprints
ウェイン・ショーターのアルバム「Adam’s Apple」の4曲目に収録されています。
4分の6拍子になっていることと、9、10小節目のコード進行が特徴です。
ジョニー・カリシ作曲
Israel
マイナーブルースをもとにしていますが、コード進行は大胆にアレンジされています。
マイルス・デイビスのアルバム「Birth of the Cool」の10曲目に収録されています。
原曲はアドリブセクションのコード進行もアレンジされていますが、現在ではマイナーブルース進行で演奏されることが多いです。
ジョシュア・レッドマン作曲
Hide and Seek
マイナーブルースをもとにしていますが、16小節で1コーラスにアレンジされています。
ジョシュア・レッドマンのアルバム「Freedom in the Groove」の1曲目に収録。
グラント・グリーンの演奏
Baby’s Minor Lope(ベイビー・フェイス・ウィレット作曲)
グラント・グリーンのアルバム「Grant’s First Stand」の4曲目に収録されています。
Talkin’ About J.C.(ラリー・ヤング作曲)
グラント・グリーンのアルバム「Talkin’ About!」の1曲目に収録されています。
Minor League(デューク・ピアソン作曲)
グラント・グリーンのアルバム「Solid」の1曲目に収録されています。
パット・メセニーの演奏
Nothing Personal(ドン・グロルニック作曲)
楽譜は便宜上12小節にしていますが、実際は各小節倍の24小節で1コーラスになっています。
マイケルブレッカーのアルバム「Michael Brecker」の4曲目に収録。
Have You Heard(パット・メセニー作曲)
アドリブセクションのコード進行
パット・メセニーのアルバム「Letter From Home」の1曲目に収録。
テーマ部分はマイナーブルースではありませんが、アドリブセクションはCマイナーとC#マイナーのブルースになっています。
Pursuance(ジョン・コルトレーン作曲)
ピアノレスの編成なのでコンピングも学べます。
ケニー・ギャレットのアルバム「Pursuance: The Music Of John Coltrane」の8曲目に収録。
Timeline(パット・メセニー作曲)
アドリブセクションのコード進行
マイケル・ブレッカーのアルバム「Time Is of the Essence」の4曲目に収録。
テーマ部分はアレンジされていますが、アドリブセクションはマイナーブルースになっています。
ジム・ホールの演奏
Desmond Blue(ポール・デスモンド作曲)
ポール・デスモンドのアルバム「Desmond Blue」の2曲目に収録されています。
Interplay(ビル・エヴァンス作曲)
ビル・エヴァンスのアルバム「Interplay」の5曲目に収録されています。
Little Blues(ジム・ホール作曲)
ジム・ホールのアルバム「Panorama: Live at the Village Vanguard!」の2曲目に収録されています。
マイク・スターンの演奏
Play(マイク・スターン作曲)
アルバム「Play」の1曲目。ジョン・スコフィールドがゲスト参加しているので、アプローチの違いを学ぶのにも最適です。
ピーター・バーンスタインの演奏
Little Green Men(ピーター・バーンスタイン作曲)
9小節目からの短3度上昇のコード進行が特徴的です。
ピーター・バーンスタインのアルバム「Heart’s Content」の1曲目に収録。
Israel
ウィル&レインボーのアルバム「Harmony」の1曲目に収録されています。
ジョン・スコフィールドの演奏
Travel John(ジョン・スコフィールド作曲)
9〜11小節目のコード進行が特徴的です。
ジョン・スコフィールドのアルバム「EnRoute」の8曲目に収録。
Mr.P.C
マッコイ・タイナーのアルバム「Guitars」の4曲目に収録されています。
マイナーブルースの魅力は、シンプルな進行だからこそ、様々なアプローチが試せる点にあります。
まずはSpotifyのプレイリストを流しながら、マイナーペンタトニックでアドリブしてみるのがおすすめです。
さらに、そこから気に入った曲を見つけてコピーし、自分なりに分析していくことで、より深く学ぶことができます。ぜひ、この方法でマイナーブルースを満喫してください。