アドリブ

Nardisのコード進行分析とアドリブ例

Nardisはフリジアンの響きを強調した独特な雰囲気を持つ曲です。II-V-Iが1回しか出てこないので、リックに頼らないアドリブの練習に最適。

コード進行はシンプルかつ1小節ずつのチェンジなので、ジャズ初心者にもおすすめの1曲です。

ここではリアルブックに載っているコード進行をもとに、分析とアドリブ例を紹介します。

Nardisコード進行

Nardisコード進行楽譜

コード進行分析の目的は各コードの機能を理解し、使えるスケールを見つけ出すことです。jazzguitarstyle.comでは以下4つの順番で紹介していきます。

  1. 曲のキーを調べる
  2. 各コードの機能を調べる
  3. 使えるスケールを見つけ出す
  4. アドリブで実際に使ってみる

Nardisのキー

キーは調号と終わりのコードを見ることで判断することができます。

Nardisのキー楽譜

Nardisの調号はシャープが1つ付いているので、キーはGメジャーかEマイナーになります。

曲の最後を見るとEm7で終わっているので、Eマイナーキーが最適です。

Nardis最後の4小節楽譜

マイナーキーの場合、ナチュラルマイナーとハーモニックマイナー両方からできるコードをローマ数字(度数)で覚えておくと、コード進行分析に役立ちます。

Eマイナースケールから作られるコード

Eマイナースケールから作られるコード楽譜

Eハーモニックマイナースケールから作られるコード

Eハーモニックマイナースケールから作られるコード楽譜

II-V-Iを調べる

分析前にII-V-Iの場所を調べておくと便利なのですが、この曲はII-Vが1箇所しか出てきません。

Nardisコード進行251箇所楽譜

II-V-I以外の箇所はそのままローマ数字に置き換えてみましょう。

コード進行分析

Nardisコード進行分析楽譜

ほとんどはEマイナーキーのスケールで作られていますが、bIIMaj7=FMa7が出てきます。

Em7-FMa7はEフリジアンの響きを演出するコード進行です。

そのためキーCメジャーのIIIm7-IVaj7と解釈することもできます。

各コード使えるスケール

Nardis各コードで使えるスケール楽譜

Em7はEエオリアンを選びましたが、キーCメジャーのIIIm7と解釈してEフリジアンを使うこともできます。

Nardisのコード進行を使ったアドリブ例

コード進行分析から選んだスケールを中心に演奏したアドリブ例を楽譜にしたので参考にしてみてください。

Nardisのコード進行を使ったアドリブ例ページ1楽譜
Nardisのコード進行を使ったアドリブ例ページ2楽譜
Nardisのコード進行を使ったアドリブ例ページ3楽譜
Nardisのコード進行を使ったアドリブ例ページ4楽譜
Nardisのコード進行を使ったアドリブ例ページ5楽譜

Nardisが聴けるギタリストのアルバム

ギタリストそれぞれのアプローチの違いを聴き比べて、気に入ったリックがあったらコピーしてみてください。

マイク・スターン

『Standards (And Other Songs)』

1992年発売
Guitar – Mike Stern
Bass – Larry Grenadier
Drum – Ben Perowsky

ミック・グッドリック、ウォルフガング・ムースピール

『In Same Breath』

録音日:2008年
Guitar – Mick Goodrick(右チャンネル)
Guitar – Wolfgang Muthspiel(左チェンネル)
Sax – david liebman

フィリップ・キャサリン

『I Remember You』

録音日:1991年
Guitar – Philip Catherine
Bass – Hein Van de Geyn
Flugelhorn – Tom Harrell

ジョン・ストーウェル

『I Remember You』

発売日:2006年
Guitar – John Stowell
Bass – Don Thompson
soprano saxophone – David Liebman

ヤコブ・フィッシャー

『My Romance』

発売日:2014年
Guitar – Jacob Fischer
Bass – Martin Wind
Drums – Tim Horner

ジョン・アバークロンビー

『Nuage』

発売日:2001年
Sax – Dave Liebman
Guitar – John Abercrombie
Jeff Johnston – Piano
Jim Vivian – Bass
Mike Billard – Drums
『Sometime Ago』

発売日:2018年
Sax – Mike Murley
Guitar – John Abercrombie
Bass – Jim Vivian
Drums – Ian Froman

トニー・ライス、ジョン・カーリーニ

『Tony Rice John Carlini Live』

録音日:1996年
Guitar – Tony Rice
Guitar – John Carlini

ジミー・レイニー、ダグ・レイニー

『Nardis』

録音日:1997年
Guitar – Jimmy Raney
Guitar – Doug Raney

Pino Russo

『Novecento』

発売日:2015年
Guitar – Pino Russo

この記事へのコメント

  1. タケノコ太郎 より:

    いつも拝見させて頂いております。掲載されておられるNARDISのアドリブ例で1つ質問があります。いきなりの二小節目で弾いているフレーズはどういった解釈なのでしょうか?ここはF Lydianで弾くのが無難なところですが、ここのフレーズはちょっと複雑で解釈に悩んでいます。ご教授頂けると幸いです。よろしくお願いします。

    • jazzguitarstyle.com より:

      サイト参考にして頂けて光栄です。
      説明不足大変失礼いたしました。

      当時、2小節目をFMa7 EMa7と想定する響きが好きだったため、その名残でこのフレージングになっています。
      Nardis1〜4小節目のコード進行
      アドリブ例ではEMa7をさらにE7にリハモしてD音も使っています。