ジャズギタリストRomain Pilonロメイン・ピロンの公式YouTubeチャンネルで公開されているジャズギターミニレッスンシリーズ。第27回のビバップメロディ練習アイデアを楽譜にしました。

動画内で紹介されているアイデアは次の5つ。

  1. ルート音を追加
  2. 増4度転調
  3. 長3度転調
  4. リズムの変化
  5. 変拍子

どれもジャズギターを演奏するための基礎練習に使える内容なので、楽譜を見ながらぜひ挑戦してみてください。

コードのルート音とメロディを一緒に弾く

ソロギターの練習にもなるコードのルート音を弾きながらメロディを弾く方法。Donna Leeのようにメロディが8分音符で埋まっている曲の場合、ポジションをしっかり決めておかないと「ベース音は弾けるけどメロディが弾けない」、「メロディは弾けるけどベース音が弾けない」という状態になりがちです。それを避けるためにいろいろなポジションで試行錯誤することになるので、指板上の音の配置を覚える練習にも効果的です。

Romain Pilonは手先が長くストレッチフォームも出てくるので、無理のない範囲で挑戦してみてください。

Donna Lee (0:21~)

Romain Pilonが弾くベースとメロディを同時に弾くDonna Lee楽譜ページ1
Romain Pilonが弾くベースとメロディを同時に弾くDonna Lee楽譜ページ2

増4度移調して弾く

ビバップの曲は原曲キー以外で演奏する音源がほとんどありません。そのため原曲キーにとらわれていた耳を移調することでリフレッシュできます。

ギターの場合、ポジションを横(ナット側、ブリッジ側)か縦(1弦側、6弦側)に動かすだけで移調が簡単にできるので、ぜひ試してみてください。

ここではキーBbからEに上昇しています。

Thriving on a Riff (0:55~)

Romain Pilonが弾く増4度転調するThriving on a Riff楽譜ページ1
Romain Pilonが弾く増4度転調するThriving on a Riff楽譜ページ2

長3度移調して弾く

増4度に続いて長3度です。キーFならF-A-Db(C#)-Fと3回目の移調で元のキーに戻るので、1コーラスごとに切り替えるのも面白いと思います。

Blues For Alice (1:27~)

Romain Pilonが弾く長3度転調するBlues For Alice楽譜ページ1
Romain Pilonが弾く長3度転調するBlues For Alice楽譜ページ2

リズムに変化をつけて弾く

リズムを自由に変えて弾く練習はアドリブの基礎練習にもなります。まずはメロディを歌いながらリズムに変化をつけ、ある程度歌えるようになってきたらギターに置き換える、という方法がおすすめです。

Au Privave (1:58~)

Romain Pilonが弾くリズムを変化させたAu Privave楽譜ページ1
Romain Pilonが弾くリズムを変化させたAu Privave楽譜ページ2

変拍子で弾く

4分の4拍子のメロディを4分の7拍子にするには音数を減らしたりリズムを変えることが必要になります。どの音を減らせばいいか、どんなリズムが合うのかを見極めるためにも、元のメロディをしっかり身につけておくことが大切です。

Yardbird Suite (2:48~)

Romain Pilonが弾く変拍子のYardbird Suite楽譜ページ1
Romain Pilonが弾く変拍子のYardbird Suite楽譜ページ2

Confirmationで試してみました

アイデア2・3・5をConfirmationで試した例です。ツイッターに動画でアップしてたので参考にしてみてください。

Confirmationを増4度移調

Confirmationを長3度移調

Confirmationを4分の7拍子で弾く

実際に試してみて感じたのは耳がリフレッシュされるということ。チャーリーパーカーの曲はメロディ自体が個性的かつ完成されているので、原曲キーで演奏や録音することがほとんど。キーを変えて演奏する機会がなかったのですごく新鮮でした。原曲キーのメロディが染み付いていればいるほど、効果絶大だと思います。

変拍子はメロディの核となる音を見極めて、音を削ったり、場合によっては増やしたりするので、メロディをより深く理解できる練習法だと思います。3拍子や5拍子などで試しても面白そうです。