楽譜の最初、ト音記号やヘ音記号のすぐ隣に、シャープ(#)やフラット(b)が並んでいるのを見たことがありますか?

これが調号です。調号には、曲のキー(調)や使えるスケールに関する情報が入っています。
ジャズギターでアドリブを弾いたり、コード進行を理解したりするためには、調号を読み解く力が欠かせません。
ここでは、
- 調号にはどんな役割があるのか
- どう覚えればいいのか
- 調号を覚えるとどんなメリットがあるのか
- なぜシャープやフラットはあの順番なのか
といった疑問に、ギター指板のイメージとともに答えていきます。調号の読み解き方をマスターして、音楽理論の第一歩を踏み出しましょう!
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調号は何を教えてくれる?
調号は、楽譜の各段の冒頭に書かれ、曲の終わりまで(または途中で「転調」するまで)、その効力を持ちます。

調号が教えてくれるキーとは、その曲で中心となる音のことです。このキーが分かると、使えるスケールも見えてきます。つまり調号は、スケールを構成するために必要なシャープ(#)やフラット(b)などの変化記号を、あらかじめまとめて示しているのです。
例えば、調号に何も付いていなければ、「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド(Cメジャースケール)」で作られている曲になります。
ただし、調号が同じでも、明るい響きのメジャーキーと、暗い響きのマイナーキーの両方の可能性があります。
実際にどちらのキーであるかは、メロディの雰囲気や、曲の始まり・終わりのコード進行などから判断します。
まずは、「調号は、曲で中心となる音=キーを教えてくれる記号」だと理解しておきましょう。
調号を覚えるメリットとは
調号を理解して曲のキーを素早く判断できるようになると、ジャズギターの演奏や音楽理論の理解が向上します。以下はその代表的なメリットです。
1. アドリブで使えるスケールが分かる
調号から曲のキーが正確に分かれば、そのキーで使えるダイアトニックスケールやモードが明確になり、迷わずアドリブできます。
2. コード進行の分析が早くなる
例えば、有名なスタンダード曲「All The Things You Are」の楽譜を見てみましょう。

この曲の調号はフラット4つです。もし調号の知識がなければ、最初のFm7がどんな機能を持つコードなのかが瞬時に分かりません。
しかし、フラットの4つの調号がキーAbメジャーまたはFマイナーであると分かっていれば、Fm7はAbメジャーキーのVIm7、あるいはFマイナーキーのIm7であると、すぐに候補を絞り込むことができます。
3. メロディの意図を示せる
曲のキーが分かっていると、メロディのどの音がキーの音で、どの音がキー以外の音なのかをより明確に示せます。
調号なしで記譜したメロディ

調号がないと、コードの音にも臨時記号がついてしまい、キーの音なのか瞬時に判断できない。
調号ありで記譜したメロディ

調号があると、キーの音に臨時記号がつかないので、ナチュラルとコードネームを照らし合わせるだけでキー以外の音が分かる。
4. 作曲、アレンジ、耳コピに役立つ
調号の知識は、楽譜を読むだけでなく、音楽を作るときにも役立ちます。
- 作曲・アレンジ: 自分で曲を作ったり、既存の曲をアレンジしたりする際に、キーに合った自然なメロディラインやハーモニー(コード進行)を組み立てられます。
- 耳コピ(採譜): キーが分かれば、使われているスケールやコードを推測しやすくなり、精度もスピードも向上します。
まとめ:調号はギタリストの音楽力を高める
調号を理解することで、楽譜を読むスピードが上がるだけでなく、音楽の構造を理解し、演奏の質を高め、さらには作曲やアレンジといった創造的な音楽活動の土台にもなります。
キーを読み解くための準備:基本ルールと「平行調」の理解
全ての調号を理解する上での「出発点」となるキーの確認、そしてメジャーキーとマイナーキーの重要な関係を示す「平行調」について理解しておきましょう。これらを押さえておくことで、この後の各調号のキーを判断する作業がぐっとスムーズになり、調号の仕組みそのものへの理解も深まります。
全ての調号の基準!「調号なし」を覚えよう (Cメジャー / Aマイナー)
最初に覚えておきたいのが調号が何も付いていない状態です。

これは、誰もが知っている「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」という音の並び、つまりCメジャーキーになります。Cメジャーキーで使えるスケールはCメジャースケールです
指板上でのCメジャースケール

実は、この何もついていない調号にはもう1つキーが隠れています。それがマイナーキーです。
メジャーとマイナーの関係性(平行調とは?)
調号は、メジャーキーと、それに対応するマイナーキーの両方を示しています。この、同じ調号を共有するメジャーキーとマイナーキーのペアのことを「平行調」と呼びます。
平行調の関係にあるメジャーキーとマイナーキーは、主音は異なりますが、同じ調号を共有するため、そのキーで使われる音は同じです。
例えば、Cメジャースケール(ドレミファソラシド)と、Aナチュラルマイナースケール(ラシドレミファソ)は、使われている音が全く同じです。ただ、どこを主音とするかが違うだけなのです。この主音の違いが、メジャーキーの明るい響きとマイナーキーの少し落ち着いた(あるいは哀愁のある)響きの違いを生み出します。
CをルートにするとCメジャースケール

AをルートにするとAナチュラルマイナースケール

なぜ平行調を知ることが大切なの?
それは、楽譜に書かれた調号が、メジャーキーである可能性と、その平行調であるマイナーキーである可能性の両方を示しているからです。
調号を見ただけでは、どちらのキーで曲が書かれているかを100%断定することはできません(最終的には曲の雰囲気や、特に曲の最後の音・コードなどで判断します)。
ですから、調号からまずメジャーキーを特定し、同時にもう一方の可能性である平行調のマイナーキーも把握しておくことが、キーを正確に読み解くための第一歩となるのです。
メジャーキーから平行調のマイナーキーを見つける方法
では、あるメジャーキーが分かったとき、その平行調であるマイナーキーはどうやって見つければよいのでしょうか?その方法はとてもシンプルです。
メジャーキーの主音から、短3度下(フレット3つ分下)の音が、平行調のマイナーキーの主音になります。
例えば、Cメジャーキーの主音「C」の短3度下は「A」。Cメジャーキーの平行調はAマイナーキーになります。
この「短3度下」の関係は、全てのメジャーキーとその平行調のマイナーキーに共通するルールなので、しっかり覚えておきましょう。
キーを見分けるための「ルール」
調号からキーを素早く特定するための「ルール」を紹介します。
1. シャープ(#)系調号のメジャーキーを見つける「ルール」
シャープが付く調号の場合、メジャーキーの主音を見つけるのはとても簡単です。
- ルール:最後に付いたシャープの音の「半音上」が、メジャーキーの主音になります。
2. フラット(b)系調号のメジャーキーを見つける「ルール」
フラットが付く調号の場合、ギタリストにとっては指板のパターンを使うと、簡単にメジャーキーの主音が見つけられます。
- ルール:最後に付いたフラットの音を、ギターの3弦〜5弦のいずれかで見つけます。その音の『1本低い弦の同じフレット』にある音が、メジャーキーの主音になります。
これらの「ルール」を覚えれば、どんな調号を見ても、メジャーキーの主音を素早く特定できるようになります。そして、メジャーキーが分かれば、平行調のルール(メジャーキーの主音の短3度下がマイナーキーの主音)から、マイナーキーも簡単に見つけ出せます。
実践!シャープを使った調号の見分け方
シャープ(#)は「F – C – G – D – A – E – B」の順番で付いていきます。それぞれの調号のキーを、ギターの指板をイメージしながら見ていきましょう。
1つめのシャープ(F)

まず、メジャーキーを見つけましょう。1つめの#はFに付くのでF#。F#の半音上はGなので、メジャーキーはGメジャーになります。

次に、ペアになるマイナーキーを見つけます。マイナーキーはメジャーキーの短3度下。Gの短3度下はEなので、Eマイナーキーになります。
このように、メジャーキーからマイナーキーを導き出してもいいですが、調号を基準にして、そこから全音(フレット2つ分)下げることでもマイナーキーを見つけられます。

どちらの方法を使っても、Gメジャーの平行調はEマイナーであると分かります。自分が覚えやすい方、または両方を知っておくと、キーを判断する際の確認にも使えてとても便利です。
指板上でのGメジャー・Eマイナー

2つめのシャープ(C)

最後に付いたシャープがCなのでC#。C#の半音上はDなので、Dメジャーキーになります。

C#の全音下はBなので、マイナーキーはBマイナーになります。

指板上でのDメジャー・Bマイナー

3つめのシャープ(G)

最後に付いたシャープがGなので、G#。半音上はA=Aメジャーキー。

G#の全音下はF#=F#マイナーキー

指板上でのAメジャー・F#マイナー

4つめのシャープ(D)

最後に付いたシャープがDなので、D#。半音上はE=Eメジャーキー。

D#の全音下はC#=C#マイナーキー

指板上でのEメジャー・C#マイナー

5つめのシャープ(A)

最後に付いたシャープがAなので、A#。半音上はB=Bメジャーキー。

A#の全音下はG#=G#マイナーキー

指板上でのBメジャー・G#マイナー

6つめのシャープ(E)

最後に付いたシャープがEなので、E#。半音上はF#=F#メジャーキー。

E#の全音下はD#=D#マイナーキー。

指板上でのF#メジャー・D#マイナー

7つめのシャープ(B)

最後に付いたシャープがBなので、B#。半音上はC#=C#メジャーキー。

B#の全音下はA#=A#マイナーキー。

指板上でのC#メジャー・A#マイナー

シャープが7つ付く場合まで、全てのシャープ系調号が示すメジャーキーと、その平行調であるマイナーキーを見分ける方法を順番に見てきました。
大切なのは、
- シャープが付く順番(F→C→G→D→A→E→B)を覚えること
- メジャーキーを見つけるルール(最後に付いたシャープの半音上が主音)を理解すること
- マイナーキーを見つけるルール(最後に付いたシャープの全音下がが主音)を理解すること
この3つです。ギターの指板をイメージしながら覚えてみてください。
次はフラット(b)が付く調号の見分け方に進んでいきましょう!
実践!フラットを使った調号の見分け方
フラットはシャープの順番とは逆に「B – E – A – D – G – C – F」の順番で付いていきます。それぞれの調号のキーを、ギターの指板をイメージしながら見ていきましょう。
1つのめのフラット(B)

最後についたフラットの音が、メジャーキーなら4番目の音(完全4度)、マイナーキーなら6番目の音(短6度)になっています。
Bにフラットが付いているのでBb。そこから1本低い弦に移動(完全4度下)するとF。フラット1つはFメジャーキーになります。

マイナーキーの場合はBbが短6度になるので、Dマイナーキーになります。指板では長3度上をイメージするのが簡単です。

フラットの付いた音の完全4度下がメジャーキー。長3度上がマイナーキーと覚えても導き出せます。
指板上でのFメジャー・Dマイナー

2つめのフラット(E)

最後に付いたフラットがEなので、Eb。
完全4度下はBb=Bbメジャーキー

長3度上はG=Gマイナーキー

指板上でのBbメジャー・Gマイナー

3つめのフラット(A)

最後に付いたフラットがAなので、Ab。
完全4度下はEb=Ebメジャーキー

長3度上はC=Cマイナーキー

指板上でのEbメジャー・Cマイナー

4つめのフラット(D)

最後に付いたフラットがDなので、Db。
完全4度下はAb=Abメジャーキー

長3度上はF=Fマイナーキー

指板上でのAbメジャー・Fマイナー

5つめのフラット(G)

最後に付いたフラットがGなので、Gb。
完全4度下はDb=Dbメジャーキー

長3度上はBb=Bbマイナーキー

指板上でのDbメジャー・Bbマイナー

6つめのフラット(C)

最後に付いたフラットがCなので、Cb。
完全4度下はGb=Gbメジャーキー

長3度上はEb=Ebマイナーキー

指板上でのGbメジャー・Ebマイナー

7つめのフラット(F)

最後に付いたフラットがFなので、Fb。
完全4度下はCb=Cbメジャーキー

長3度上はAb=Abマイナーキー

指板上でのCbメジャー・Abマイナー

これで、フラット1つから7つまで、全ての調号のメジャーキーとマイナーキーが分かりました! 特にメジャーキーを見つける「1本低い弦の同じフレット」というルールは、慣れれば瞬時にメジャーキーを特定できるようになります。 シャープ系と同様に、まずはメジャーキーを素早く見つけ練習をしてみてください。
全調号一覧
シャープを使った調号と調一覧








フラットを使った調号と調一覧








調号の見分け方まとめ
調号を見分けるための、ギタリストにとって実践的なコツを、ここで改めてまとめておきます。
【メジャーキーを見つけるためのコツ】
- 調号なしの場合:
- Cメジャーキー です。
- シャープ(#)系の場合:
- ルール:「最後に付いたシャープの音の半音上がメジャーキーの主音」 です。
- (例:最後の#がFならF#の半音上Gが主音、最後の#がC#ならC#の半音上Dが主音。)
- ルール:「最後に付いたシャープの音の半音上がメジャーキーの主音」 です。
- フラット(b)系の場合:
- ルール: 最後に付いたフラットの「1本低い弦の同じフレット(完全4度下)」の音がメジャーキーの主音です。
- (例:最後のbがEbなら、Ebの1本低い弦Bbが主音 → Bbメジャーキー。)
- ルール: 最後に付いたフラットの「1本低い弦の同じフレット(完全4度下)」の音がメジャーキーの主音です。
【マイナーキーを見つけるコツ】
- 調号なしの場合:
- Aマイナー です。
- シャープ(#)系の場合:
- ルール:「最後に付いたシャープの音の全音下がマイナーキーの主音」 です。
- (例:最後の#がFならF#の全音下Eが主音、最後の#がC#ならC#の全音下Bが主音。)
- ルール:「最後に付いたシャープの音の全音下がマイナーキーの主音」 です。
- フラット(b)系の場合:
- ルール: 最後に付いたフラットの長3度上がマイナーキーの主音です。
- (例:最後のbがEbなら、Ebの長3度上のGが主音 → Gマイナーキー。)
- ルール: 最後に付いたフラットの長3度上がマイナーキーの主音です。
ルールと指板イメージを直結させよう!
このルールを頭の中だけで理解するのではなく、常にギターの指板上の音の位置や形と直結させてイメージすることが、大切です。
例えば、「最後に付いたシャープの半音上」と言われたときに、指板上でその音がどこにあり、そこから半音(1フレット)上がどこになるかを視覚的に捉えられるか。
「メジャーキーの短3度下」が、指板上でどのようなフレット関係、あるいは弦をまたいだ形で見つけられるか。 このように視覚的・感覚的に理解することで、単なる暗記ではなく、本当に「使える知識」として身につきます。
ここで紹介した見分け方を使ってたくさんの楽譜を見ていくうちに、調号を見た瞬間に「あ、これは〇〇メジャーキーで、平行調は△△マイナーキーだな」と分かるようになってきます。 そうなれば、ジャズのアドリブも、コードの理解も、そして音楽全体をもっともっと楽しめるようになるはずです。
jazzguitarstyle.comがおすすめする調号の見分け方
(#)最後に付いたシャープの半音上がメジャーキー、全音下がマイナーキー
(♭)最後に付いたフラットの完全4度下がメジャーキー。長3度上がマイナーキー
調号が付く順番のヒミツ
シャープやフラットが、いつも決まった順番で付いていくのはなぜなのでしょう?実は、その背後には音楽の響きの「不安定」を司る、とても重要な音程が隠されています。それが「トライトーン」です。
少し音楽理論に踏み込んだ内容ですが、調号が付く順番の背景にある音楽の法則や仕組みを知ることで、忘れにくい確かな知識として身につくはずです。
トライトーン:調号の秘密を解く鍵
トライトーン(tri-tone)という言葉は、「トライ(tri)=3つの」と「トーン(tone)=全音」を組み合わせたもので、その名の通り「全音3つ分」の音程のことを指します。
この「全音3つ分」の音程は、「増4度」または「減5度」と呼ばれることもあります。
このトライトーンは、とても不安定で緊張感のある響きを持ち、安定した響きへ「解決」したがる性質を持っています。
トライトーンをCメジャースケールの中で探すと、第4音の「ファ(F)」と第7音の「シ(B)」になります。
Cメジャースケールのトライトーン

この2音はキーを特徴づけるドミナント7thコード(CメジャーキーのG7)にも含まれています。この不安定な響きが、次に安定したトニックコードへ解決しようとする力を生み出します。
つまり、トライトーンはキーの性格を決定づけ、音楽に方向性を与える重要な役割を持っています。 そして、このトライトーンを変えることで、スケールの響きを変え、キーを変えることができるのです。
トライトーンの変え方は、どちらかを半音変化させるだけです。音を半音変化させるには、シャープ(#)かフラット(b)を使いますが、
- もしFの音を半音下げてFb=Eにすると、元々のCメジャースケールの構成音になります。
- もしBの音を半音上げてB#=Cにすると、こちらも元々Cメジャースケールの構成音になります。
このように、変化させた音が元のCメジャースケール内の音と同じになってしまうと、音楽の性格を変え、「新しいキー」へ移行する「新しい音」は生まれません。
そこで、元のCメジャースケールにはなかった「新しい音」を生み出し、かつトライトーンを変化させる方法が次の2つです。
- Fの音を半音上げてF#にする
- Bの音を半音下げてBbにする
そしてこの2つの変化こそが、それぞれシャープ(#)系の調号の1つめと、フラット(b)系の調号の1つめになるのです!
Cメジャースケールを元に、Fを#させるとどうなるか、Bをbさせるとどうなるかそれぞれ譜例を見ていきましょう。
Fを半音上げる

CメジャースケールのFを半音あげてF#にしました。するとトライトーンがCとF#に変わりました。
これをGから並び替えるとGメジャースケールになります。

#1つでCメジャーからGメジャーに変わりました。
今度はGメジャースケールのトライトーン(CとF)を変えるため、Cを半音上てみましょう。

GメジャースケールのCを半音上げてC#にすると、トライトーンがGとC#に変わりました。これをDから並び替えるとDメジャースケールになります。

Bを半音下げる

CメジャースケールのB音を半音下げてBbにしました。すると、トライトーンがBbとEになります。
これをFから並び替えるとFメジャースケールになります。

b1つでCからFメジャースケールに変わりました。
今度はFメジャースケールのトライトーン(BbとE)を変えるためEにbをつけてみましょう。

これをBから並び替えるとBbメジャースケールになります。

まとめ:調号の順番は、トライトーンを変化させる音楽の知恵
調号にシャープやフラットが特定の順番で付いていくのは、決して偶然やただの決まり事ではありません。それは、各キーを特徴づける「トライトーン」という不安定ながらも重要な響きを計画的に変化させ、新しいキーの安定した響きを生み出すための、とても合理的で音楽的なプロセスなのです。