1小節内で2拍ずつでコードが変わっていく場合、スケールチェンジを意識して弾くのが難しいです。馴れてきたら練習では出来るようにしておくべきだと思いますが、実際には前後のコードを優先させてコード一つ一つでモードを変えないことも多々あるのでしょうか。
ロックの場合、キーがほぼ同じだし、転調してもコードプログレッションの形は同じだったりでペンタトニックだけとか、ブルーススケールでそれっぽく弾けたような気がしたのでそれで済ませていました。というのも、私自身がモードの感じを掴めていないためです。
ダイアトニックスケールを覚えたとき、コードの根音からダイアトニックスケールをフレージングしなければならないとこだわっていたからです。例えばキーがCの時のCのコードの時はフレーズは(ダイアトニックスケールでCメジャースケールを意識して)Cから組み立ててCで終わらせるのように。でも実際にはそんなことはないですよね。
そこで考えてしまっていたのが、根音から始まらないならそもそもダイアトニックスケールとか、コードのファンクションにこだわらなくてもいいや、どうせキーは同じで使えるスケールの音は同じだしと。
ジョーイさんがコードトーンの練習が大切と解説していますが、ここを肝要に練習していけば良いでしょうか。
1つのスケールで弾ききることもあります
例えば枯葉のGm7-Gb7-Fm7-E7-EbMa7ではGマイナーペンタトニックスケールだけで弾くこともできます。
Gマイナーペンタトニックスケールのみを使ったアドリブ例
コード進行を感じさせるアドリブがジャズらしさを演出するので、1つのスケールで弾ききることは少ないです。
1小節で2拍ずつコードが変わる場合、スケールを切り替えるというよりも、コードトーンを意識してアドリブします。
スケールの捉え方
各コードで使えるスケールは7音として捉えるのではなく、コードトーン(4音)とテンション(3音)に分けます。
Gm7のコードトーンとテンション
テンションをオクターブ下げて並び替えることでスケールになります。
Gm7で使えるGエオリアンスケール
Gm7で使える音はコードトーンのG-Bb-D-F、テンションのA-C-Ebになりますが、毎回音名を表記すると文字数をとってしまうので、教則本などでは「Gm7ではGエオリアンスケールが使えます」と略されていると思ってください。
Gb7のコードトーンとテンション
Gb7で使えるGbリディアンb7ケール
Fm7のコードトーンとテンション
Fm7で使えるFドリアンケール
E7のコードトーンとテンション
E7で使えるEリディアンb7スケール
EbMaj7のコードトーンとテンション
EbMaj7で使えるEbリディアンスケール
スケールをコードトーンとテンションに分けて覚えることで練習方法も変わってきます。
スケール練習は指板の配置と響きを覚えるため
各コードに対応したスケールを弾く練習はアドリブするためというよりは、指板上の音の配置を覚えるための基礎練習になります。
各スケールのルートから弾いた例
ある程度音の配置が見えてきたら、一番近い次のスケールの音につなげていく練習も効果的です。
各コードに対応したスケールを上昇させた例
スケール練習は直接アドリブができるようになるためではありませんが、アドリブするときの土台になるので大切な練習です。同様にコードトーンを弾く練習もおすすめです。
各コードのコードトーンを上昇させた例
指板の音の配置が見えてきたら各音の響きを覚えていきます。
各コード7音の響きを覚える
コードトーンとテンションの響きを覚えることで、アドリブするときに自分の鳴らしたい音がなんの音かがわかるようになります。また1、3拍目に弾くことでターゲットノートの感覚を身につけることもできます。まずはそれぞれの音を確認しながら響きを覚えてみてください。
各コードのルートをターゲットノート
各コードの3rdをターゲットノート
各コードの5thをターゲットノート
各コードの7thをターゲットノート
各コードの9thをターゲットノート
各コードの11thをターゲットノート
各コードの13thをターゲットノート
各コードそれぞれの音の響きを覚えたらアドリブしていきます。
各コード1音のアドリブ
各コードのターゲットノートをアドリブ
ターゲットノートをアドリブできたら、そこへアプローチノートを加えていきます。(ターゲットノートとアプローチノートの仕組みはジャズギター初心者が知っておきたいアドリブの仕組みと練習法で詳しく紹介しています。)
ターゲットノートにアプローチノートを追加
1小節内で2拍ずつコードが変わるときのアドリブは、スケールを切り替えるのではなく、各コードに対応した音(コードトーン+テンション)を選んで弾くという感覚が大切です。ぜひ練習に取り入れてみてください。