一度しっかり覚えたものでも時間が経てば忘れてしまうと思うんです。それで、確実に覚える方法として
  1. 忘れる前に頻繁に確認する。そして少しずつ間隔を開けていき完全に記憶を定着させる。
  2. ある程度忘れた(3割くらいは覚えてる)状態で、集中して覚え直す。次は5割くらい覚えてる状態で。それをくり返して完全に覚える。

自分の考えとしては2の方がより深く記憶に残るように思います。ただ、効率を考えれば1の方がいいような気もします。

ジョーイさんの個人的な経験や学習者であった頃に教わったことなど、ご教授いただけると助かります。

私の場合は1、2両方使ってます

記憶の定着方法は悩ましいですよね。個人差もあると思いますが私の場合は1で覚えてから2で完全に自分のもにする、といった感じです。

まずは「これは絶対弾けるようになりたい!」と思うリックをコピーすることからはじめます。覚えたいリックを決めたらとにかく毎日弾きます。リック単体で弾いたりコード進行に合わせて弾いたり。これを1週間くらい続けるとリックが定着してくるので、今度はアドリブで自然に使えるようにしていきます。ここまでが1の方法です。

いくつものリックを同時進行で覚えていくので、リックがどんどん増えていきます。ただ全てのリックをアドリブで使うわけではないので、忘れてくリックもあります。

忘れたリックは何かのきっかけで、「そうえいば1、2ヶ月前に覚えたあのリックを使いたい!」と思う瞬間があり、これがまさに2の方法です。

正確に数えたことはありませんが、1回目で覚えたリックと少したってから覚えたリックの数はちょうど半々くらいだと思います。

忘れるものはその程度のもの

私が学生時代に言われたのは、「練習しても忘れてしまうようなメロディやリックはその程度のもの。気にせずどんどん新しいメロディやリックを覚えていきなさい」でした。

ジャズをはじめたとき、スタンダードのメロディが覚えられなくて苦労したのですが、今思えば自分の中ではグッとこない(感動できない)メロディを無理やり覚えていたからだと後になって気づきました。

自分の好きな曲(ジャズに限らずポップスなど含め)のメロディって口ずさめますよね。しばらく聴いていなくても(何年たっても)覚えてられます。それはつまりそのメロディが自分の中でグッときたものだからなのです。

それと同じことがジャズのメロディやリックにも言えます。

本当に好きなメロディやリックに出会うと、自然と口ずさめます。そして何年経っても覚えていることができます。そういうメロディやリックに出会うためにも数をこなしていくことが大切だと思います。

覚えるのに役立つちょっとしたテクニック

私がメロディやリックを覚えるときに使ってきた6つの方法を紹介します。

イメージする

ギターをあえて使わず、メロディをリックを口ずさむときに、ギターで弾いている自分をイメージします。

  • どのポジションで弾いているか
  • ピッキングはどうしているか
  • フィンガリングテクニックは何を使うか
  • どんなライブハウスでどんな音で演奏しているか

などなど、できるだけ正確にイメージすると、頭の中で定着して覚える速度が上がると思います。

ポジションで覚える

はじめてリックを覚えたときはポジションごとに分けて覚えていました。ジャズギタースタイルマスターで紹介しているII-V-I、I-VI-II-Vリックの覚え方です。

この方法はコードフォームと連携させることができるので、ある程度の目安があり、指板上の音の配置がまだ見えていなくても弾きこなすことができます。そのためこの覚え方はジャズ入門者におすすめの方法です。

運指で覚える

ジャズ入門者におすすめなのが「運指で覚えること」、つまり手グセにしてしまうことです。

ギタリストならマイナーペンタトニックスケールを使ったブルージーな手ぐせリックを1つは持っているはずです。

それを覚えたときのことを思い出してみてください。そのリックがカッコよくて毎日毎日ひたすら弾き続けませんでしたか?

これと同じことをジャズリックでやります。カッコいいと思ったリックを1つ選んで毎日ギターを手に取ったときに弾く。ウォーミングアップにもイヤートレーニングにもなる一石二鳥の方法です。

分析して覚える

指板上の音の配置が見えるようになってきたら、度数で覚えるのがおすすめです。この方法は他のキーに移調するときや、弾くポジションを変えるときに役立ちます。

本番では自分の中で鳴った音を弾くだけなので、度数やスケールなどを意識することはありませんが、覚えるときはどんな度数でできているのか、スケールをどう使っているかを理解しておくことも覚える手助けになるはずです。

その方法はリックの分析法としてアドリブを学ぶ上で知っておきたいリックの分析と作り方にまとめています。

私はメロディを覚えるときもこの手法を使っています。

ジャズでよく使われるオルタードリックを分析するどんなことができるのかを紹介したページもあるので合わせて参考にしてください。

ジャズギターを始めたら1度は弾くオルタードリックの分析とアレンジ

ジャズスタンダードと連携して覚える

リックを使っていると「このスタンダードではカッコよく聴こえるけど、こっちのスタンダードではあまりグッとこない」といったことが起こります。

その原因はそれぞれのスタンダードが持つ雰囲気や前後のコード進行の流れが違うためです。

逆にそれを利用して「このリックはこのスタンダード限定。こっちのリックはこのスタンダード限定」というように曲で使うリックを限定して覚えていきます。

スタンダードと連携させることでリックを思い出しやすくする効果もあります。

名前をつける

リックに名前をつけてしまうのもおすすめです。

例えば先ほど紹介したジャズギターを始めたら1度は弾くオルタードリックの分析とアレンジではオルタードリックという名前をつけています。

するとオルタードリックといえばこれといったように脳が覚えてくれるのです。

まとめ

本当に弾きたい音(メロディやリック)は覚えようと努力しなくても覚えてしまうもの。

忘れてしまうものはその程度のものと割り切って、どんどん新しい音を取り入れていくのが良いと思います。

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