Moment's NoticeはJohn Coltraneジョン コルトレーンのアルバム「Blue Train」の2曲目に収録されているアップテンポのスタンダードです。

イントロが22小節、テーマが38小節あるので、小節の分け方やリハーサルマークの付け方など、どうすれば見やすいリードシートになるかの研究にも最適です。

音源を聴きながら追ってみてください。


Moment's Noticeリードシート

ジョン・コルトレーン作曲Moment's Noticeのリードシートページ1楽譜
ジョン・コルトレーン作曲Moment's Noticeのリードシートページ2楽譜

Moment's Noticeのサイズ

リードシートは曲のサイズ、メロディ、コードネーム(ベースとピアノのコピー)の順番で作っていきます。まずは曲を聴いて全体像を軽くスケッチしましょう。
ジョン・コルトレーン作曲Moment's Noticeのサイズ楽譜

  • イントロ 22小節
  • 前テーマ A-B-A'-B'-C 計38小節
  • ソロセクション テーマ38小節で1コーラス (サックス、トロンボーン、トランペット各3コーラス、ベース1コーラス、ピアノ2コーラス)
  • 後テーマ A-B-A'-B'-C'

 

リードシートは1段に4小節入れるのが通常ですが、今回は22小節のイントロ、6小節のB'など、4で割り切れないセクションが出てきます。

1段に6小節詰めるのかそのまま4小節で書くかの判断が別れるところですが、今回はイントロ部分は1段を6小節に詰め、テーマ部分は4小節のままにして作っています。

メロディをコピーする

管楽器のハモりや後テーマ、エンディングもコピーしていきます。
ジョン・コルトレーン作曲Moment's Noticeのメロディページ1楽譜
ジョン・コルトレーン作曲Moment's Noticeのメロディページ2楽譜

特定のメロディ音に臨時記号がつく場合、調号を使った方が読みやすくなります。

Moment's Noticeはミ、ラ、レにフラットがつくので、Ebメジャーの調号をつけるのがおすすめです。

ベースラインをコピーする

ベースは必ずしもコードのルートを弾いているわけではありませんが、ルートを弾いていると仮定してコードネームを振っておきます。

イントロ・前テーマ・ベースライン

ジョン・コルトレーン作曲Moment's Noticeのベースライン最初のテーマページ1楽譜
ジョン・コルトレーン作曲Moment's Noticeのベースライン最初のテーマページ2楽譜
ジョン・コルトレーン作曲Moment's Noticeのベースライン最初のテーマページ3楽譜

E-Aなどの4度進行している箇所は「II-Vかも」と推測しておくと、ピアノのコンピングをコピーするときに役立ちます。

後テーマ・ベースライン

ジョン・コルトレーン作曲Moment's Noticeのベースライン後テーマ・メロディページ1楽譜
ジョン・コルトレーン作曲Moment's Noticeのベースライン後テーマ・メロディページ2楽譜

[B]セクション1小節目のように、C-G-Eb-Cのベースラインは「Cmを想定している?」と推測しておきましょう。

ピアノのコンピングをコピーする

ピアノのヴォイシングはギターでは弾きづらいことが多いので、完コピではなくアレンジしていきます。

コードネームはコピーしておいたベースラインと照らし合わせてながら書いていきましょう。

イントロ・前テーマ・ピアノコンピング

ジョン・コルトレーン作曲Moment's Noticeのピアノコンピング前テーマ・メロディページ1楽譜
ジョン・コルトレーン作曲Moment's Noticeのピアノコンピング前テーマ・メロディページ2楽譜
ジョン・コルトレーン作曲Moment's Noticeのピアノコンピング前テーマ・メロディページ2楽譜

[A]セクションは各コードの3度と7度を使ったジャズ王道のコンピングです。

後テーマ・ピアノコンピング

ジョン・コルトレーン作曲Moment's Noticeのピアノコンピング後テーマ・メロディページ1楽譜
ジョン・コルトレーン作曲Moment's Noticeのピアノコンピング後テーマ・メロディページ2楽譜

ギターでコンピングすることを想定してアレンジしておきましょう。

ベースとピアノを合わせてコードネームを付ける

コピーしたメロディにEbメジャーの調号を加えコードネームを付けていきます。

[A]はメロディがキメのリズムにもなっているので、それに合わせてコードネームを表記しましょう。

ソロセクションのコード進行は別途追記するので、テーマ部分はテンションも含めたコードネームを表記します。

ジョン・コルトレーン作曲Moment's Noticeのメロディとコードネーム1楽譜
ジョン・コルトレーン作曲Moment's Noticeのメロディとコードネーム2楽譜

[C] セクションはメロディがEb、Fm、Gmトライアドになっているので、オンコード表記にしています。

 

ソロセクションのコード進行をコーダ(Coda)の前に追加すればリードシートの完成です。

アルバム「Blue Train」

ギタリストに人気のLazy Birdも収録されている名盤です。

『Blue Train』
録音日:1958年
John Coltrane – tenor saxophone
Lee Morgan – trumpet
Curtis Fuller – trombone
Kenny Drew – piano
Paul Chambers – bass
Philly Joe Jones – drums