スケールというのは基本的にコードトーンにそったものだと思うのですが、いいんでしょうか?そうすると、まれにコードトーンは抑えてるけどキーにはない音を含むスケールを選択肢になることもあると思いますが、この外れの音はどう解釈すればいいのでしょうか?

jazzguitarstyle.comのスペインの説明を例にとりますと、C#7コードではC#ドミナントディミニッシュスケールとなってます。
この場合、ラb、シbはキーBmからは外れますよね?ファも外れますが、これはC#7の構成音を抑えたという事で理解できます。
この外れの音はアボイドのように考えるべきか、むしろ雰囲気を出すものとして多用すべきなのでしょうか?

また、このようなことはV7ドミナントで多いと思うのですが、他の場面、ドミナントモーション以外の場面でもありえるのでしょうか?

部分転調と考えるのがおすすめです

外れの音は雰囲気を出すためのものなので、多用とまではいきませんが、積極的に使うべきです。

ただし、曲のキー以外のコードが出てきた場合は部分転調なので、転調先のキーで考えます。

そのため外れる音が変わってきます。

 

キーBmで使えるコード一覧

Bマイナースケールからできるコード
Bマイナースケールからできるコード一覧楽譜

Bハーモニックマイナースケールからできるコード
Bハーモニックマイナースケールからできるコード一覧楽譜

Bメロディックマイナースケールからできるコード
Bメロディックマイナースケールからできるコード一覧楽譜

C#7はBmキーに無いコードなので転調していると考えます。

C#7をV7とするとIはF#メジャーまたはF#m。

C#7からF#へ進む楽譜

スペインのコード進行はC#7の次にF#7(メジャー系)に進むので、C#7はキーF#メジャーに転調していると考えます。

ドミナントコードでは緊張感を出すためキー以外の音を使います

メジャーキーのV7で使えるスケールはミクソリディアンです。

C#7で使えるC#ミクソリディアンスケール
C#7で使うC#ミクソリディアンスケールの度数楽譜

 

コード進行に合わせて弾いた例

C#ミクソリディアンスケールの響きタブ譜付き楽譜

ミクソリディアンはキーから外れた音のないスケールになります。

もちろんこのままでもいいのですが、ジャズらしい音使いを加えるため、C#ドミナントディミニッシュスケールを弾いてみましょう。

 

C#7に対するC#ドミナントディミニッシュスケールの度数
Cドミナントディミニッシュスケール楽譜

コード進行に合わせて弾いた例

C#ドミナントディミニッシュスケールの響きタブ譜付き楽譜

ドミナントディミニッシュスケールにはキーから外れた音のb9th、#9th、#11thが含まれます。

これらの音はドミナントコードの緊張感を強調してくれるジャズに欠かせない音なので、積極的に使っていきます。

ジャズ用語
ドミナントコードで緊張感を演出する音(キーから外れた音)をオルタードテンションと呼びます。
これらの音はアボイドではなく、雰囲気を出す音として使われます。

ドミナントコードはオルタードテンションを使うことでジャズらしさを演出できます。

ドミナントモーション以外の場合

メジャーキーではIコードで#11thがよく使われます。

 

CメジャーキーのII-V-I、CMa7で#11thを使った例

キーCメジャーで#11thを使ったコード楽譜
#11thを使うことでリディアンの響きを演出できます。

 

マイナーキーではIコードで6thや7thが使われます。

CマイナーキーのIV-V-I、Cmi7で7thを使った例

キーCマイナーでメジャー7thを使ったコード楽譜

 

CマイナーキーのIV-V-I、Cmi7で6thを使った例

キーCマイナーでマイナー6thを使ったコード楽譜

これらはメロディックマイナーとハーモニックマイナーに含まれる音なので厳密には外れている音ではありませんが、雰囲気を変えるという目的は同じです。

キー以外のスケールの音の捉え方
キーから外れている音は、それぞれ何かしらの特徴を持っています。
アボイドとして考えるのではなく、積極的に使うことで表現の幅を広げることができます。

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