多くのギタリストが最初に覚えるであろう、シンプルな3コードのブルース。しかし、ジャズセッションで聴こえてくるブルースは、もっと複雑で洗練された響きを持っていませんか?
あの「ジャズっぽい」響きは、いくつかの基本的なルールに則って、元のブルース進行をリハーモナイズ(リハモ)することで生まれます。その仕組みを知っておくと、アドリブのアイデアが広がるだけでなく、自分でもコード進行をアレンジできるようになります。
この記事では、Bbブルースを例に、シンプルなブルースが定番の「ジャズブルース」へと変化していく過程を、ステップバイステップで解説します。
ブルースのコード進行
基本のブルース進行
基本のブルース進行度数表記
I7、IV7、V7のスリーコードのみで成り立っているのが特徴です。
2小節目と12小節目にコードを加えたブルース進行
2小節目にIV7を加えた進行をクイックチェンジ、12小節目にV7を加えた進行ターンアラウンドと呼びます。
ブルース進行の機能
ブルース進行で使われるコードは、機能別に3つに分類できます。
ブルースで使われるコード進行のパターンはいくつもありますが、それらは全て上記の機能を元に作られています。
これらをふまえてジャズらしいアレンジを加えていきましょう。
Bb7に対するII-V進行を加える
ジャズらしいアレンジにするためのポイントは、II-V-I(ツーファイブワン)進行を加えることです。
まずはケーデンス(9〜10小節目)とターンアラウンド(12小節目)をII-V-Iにします、
ケーデンスとターンアラウンドを251にした例
ターンアラウンドはII-V-Iを加えただけですが、ケーデンスは通常のブルースと大きな違いがあります。
通常のブルースはIV7からI7に進むアーメン終止が使われているのに対し、ジャズブルースではV7からI7に進む完全終止が使われます。
ジャズでは、このV7からIへ向かう強い進行感が多用されます。
Bb7以外へのII-Vを加える
5小節目のEb7を仮のI7に見立てて、その前にII-Vを入れることができます。
Eb7に対する25を4小節目に加えた例
9小節目のCm7に対するII-Vを加えることもできます。
Cm7に対するV7を加えた例
Cm7に対するII-Vを加えた例
Cm7に対するIIはマイナーキーのIIm7(b5)にすることもできます。
マイナー25にした例
II-V-Iを加えるだけでジャズ感がぐっと出てきます。
ディミニッシュを加える
IV7からI7に向かうとき、経過音としてスムーズにつなげる#IVディミニッシュコードを入れることができます。
Edim7コードを加えた例
Eb-E-Fという半音での滑らかな動きができるように、Bb7のベースラインをBb7/Fにすることもできます。
Bb7をFベースにした例
Bb7と書かれていても、ウォーキングベースをするときはEb-E-Fの流れを意識するとスムーズな響きを演出できます。
完成したジャズブルースのコード進行
ジャズブルースのコード進行
ジャムセッションでも定番のジャズブルースのコード進行です。
このように、II-V-Iとディミニッシュを適用するだけで、3コードのブルースが、豊かな響きを持つジャズブルースへと生まれ変わります。
今回紹介した進行は、あくまで代表的な一例です。このリハモの考え方を応用して、ぜひあなただけのオリジナル・ブルース進行作りに挑戦してみてください。
ジャズブルースのコード進行と作曲者別曲紹介ではさまざまなジャズブルースのコード進行を紹介しているので、コード進行の違いも楽しんでみてください。