ジャズブルースはブルースをジャズらしくしたものです。

どのような仕組みでジャズらしくしているかを知っておくと、アドリブするときやリハモするときに役立ちます。

ここではBbブルースを例にジャズブルースを作っていきましょう。

ブルースのコード進行

基本のブルース進行
ブルースの基本コード進行楽譜

基本のブルース進行度数表記
ブルースの基本コード進行を度数表記にした楽譜

I7、IV7、V7のスリーコードのみで成り立っているのが特徴です。

 

2小節目と12小節目にコードを加えたブルース進行
クイックチェンジとターンアラウンドを入れたブルースのコード進行楽譜

2小節目にIV7を加えた進行をクイックチェンジ、12小節目にV7を加えた進行ターンアラウンドと呼びます。

ブルース進行の機能

ブルース進行を機能別に分けると次のようになります。
ブルースの基本コード進行の機能楽譜

Tonic(トニック)は安定な響きを感じさせる機能を指します。Keyの中心的なコード、主にI コードが使われます。

SubDominant(サブドミナント)は不安定な響きを感じさせるもの。主にIVコードが使われます。

Cadence(ケーデンス)は終止形とよばれ、不安定なコードから安定するコードへ向かう機能のことです。

ブルースで使われるコード進行のパターンはいくつもありますが、それらは全て上記の機能を元に作られています。

これらをふまえてジャズらしいアレンジを加えていきましょう。

Bb7に対する25進行を加える

ジャズらしいアレンジにするポイントは251(II-V-I)進行を加えることです。

まずはケーデンス(9〜10小節目)とターンアラウンド(12小節目)をII-V-Iにします、

ケーデンスとターンアラウンドを251にした例
II-V-I進行を加えたブルースのコード進行楽譜

ターンアラウンドは251を加えただけですが、ケーデンスは通常のブルースと大きな違いがあります。

通常のブルースはIV-I、4度から1度に進むアーメン終止が使われているのに対して、ジャズブルースではV-I、5度から1度に進む完全終止が使われます。

ジャズではこの完全終止が多用されます。

Bb7以外への25を加える

5小節目のEb7を1に見立てて、その前に25を入れることができます。

Eb7に対する25を4小節目に加えた例
Eb7に対するII-V進行を加えたブルースのコード進行楽譜

Bb7に対する25を加えたことによって出てきたCm7に対する25を加えることもできます。

Cm7に対するV7を加えた例
Cm7に対するV7(G7)を加えたブルースのコード進行楽譜

Cm7に対するII-Vを加えた例
Cm7に対するV7にIIm7を加えたブルースのコード進行楽譜

Cm7に対するIIはマイナーキーのIIm7(b5)にすることもできます。

マイナー25にした例
Cm7に対するV7にIIm7b5を加えたブルースのコード進行楽譜
251を加えるだけでジャズ感がぐっと出てきます。

ディミニッシュを加える

IV7からI7に向かうとき、スムーズにつなげる#IVディミニッシュコードを入れることができます。

Edim7コードを加えた例
Eb7からEディミニッシュに進むコード進行を加えた例楽譜

Eb-E-Fの動きができるように、Bb7のベースラインをFにすることもできます。

Bb7をFベースにした例
EディミニッシュからBb7のF音ベースに進むコード進行を加えた例楽譜

Bb7と書かれていても、ウォーキングベースをするときはEb-E-Fの流れを弾くとスムーズな響きを演出できます。

完成したジャズブルースのコード進行

ジャズブルースのコード進行
ジャズブルースのコード進行楽譜
ジャムセッションでも定番のジャズブルースのコード進行です。

ジャズブルースのコード進行と作曲者別曲紹介ではさまざまなジャズブルースのコード進行を紹介しているので、コード進行の違いも楽しんでみてください。