ジャズフレーズ

マイナー251(II-V-I)ジャズフレーズ・リックを覚える方法

ジャズフレーズ・リックを覚えるために必要なことは次の4つです。

  1. リックを使うコード進行の響きを覚える
  2. コード進行とリックの関係を理解する
  3. スタンダードのコード進行に合わせて使う
  4. リックを自分なりにアレンジして発展させる

この4つを繰り返し行うことでリックが身につき、ジャズらしい響きが自然に出せるようになります。

ここではCマイナーキーの251リック「ポジション5」を使って実例を紹介していきます。

コードフォームとコードトーン

リックは1度にたくさん覚えるよりも、「これ弾きたい!」「カッコいい!」と感じたものを1つ選んで、じっくり練習するのが効果的です。

ポジション5 II-V-Iリック・フレーズ2

ポジション5で弾くCマイナーキーの251リック・フレーズ2楽譜

このポジションで弾ける各コードを考えます。

Dm7(b5)

Dm7(b5)コードダイアグラム

G7

G7コードダイアグラム

Cm7

Cm7コードダイアグラム

リックに含まれるテンションに対応するコードフォームも覚えておきましょう。

Dm7(b5,11)

Dm7(b5,11)コードダイアグラム

G7(b9,b13)

G7(b9,b13)コードダイアグラム

Cm7

Cm7コードダイアグラム

コードフォームをイメージしたら、それぞれのコードトーンを弾いていきます。この練習はコードの響きを覚えるのに最適です。

Dm7(b5)

Dm7(b5)コードトーンダイアグラム

G7

G7コードトーンダイアグラム

Cm7

Cm7コードトーンダイアグラム

テンション付きのコードトーンも覚えることで、よりジャズらしい響きが身につきます。

Dm7(b5,11)

Dm7(b5,11)コードトーンダイアグラム

G7(b9,b13)

G7(b9,b13)コードトーンダイアグラム

Cm7

Cm7コードトーンダイアグラム

コードとコードトーンを弾くのに慣れたら、コードとリックを交互に弾いていきます。

この練習は、それぞれのコードフォームとリックの音使いがどのように関係しているのかを体感的に理解できます。

基本のコードとリック

テンションコードとリック

リックのオクターブを変える

リックのオクターブを変えて弾くと、響きに変化がつきます。ポジションが変わるので、指板上の音の位置を視覚的・感覚的に覚えるのにも役立ちます。

オクターブ下げた例

ポジション5で弾くCマイナーキーの251リック・フレーズ2をオクターブ下げた楽譜

オクターブ下げとポジションを変えた例

ポジション5で弾くCマイナーキーの251リック・フレーズ2をオクターブ下げてポジションを変えた楽譜

自分にとって“かっこよく聴こえる音域”を知っておくのも、アドリブをする上で大切なことです。

リックの各小節を組み合わせる

Cマイナーキーの251で紹介しているリックを自由に組み合わせることで、オリジナルのリックを作ることもできます。

例えば、ポジション5リック1のDm7(b5)とリック3のG7を組み合わせると次のようになります。

リック1+リック3

ポジション5リック1のDm7(b5)とリック3のG7を組み合わせた楽譜

隣のポジションのリックと組み合わせて、指板上を横移動するリックを作ることもできます。

ポジション5リック3のDm7(b5)とポジション4リック5のG7

ポジション5リック3のDm7(b5)とポジション4リック5のG7を組み合わせた楽譜

リックを組み合わせるのはオリジナルのリックを作るのに便利な手法です。

とくに隣のポジションと組み合わせる手法は指板上を把握するのにも役立つのでおすすめです。

スタンダードのコード進行上で使う

メジャーキーの251の覚え方同様、「枯葉」のコード進行最初の8小節を使って練習していきます。

枯葉の最初の8小節楽譜

まずは覚えたいリックを1つ選びましょう。ここではポジション5のリック2を使います。

ポジション5のリック2

ポジション5で弾くCマイナーキーの251リック・フレーズ2楽譜

「枯葉」で使えるマイナー251はAm7(b5)-D7-Gm7なので、5フレット分低くして移調させます。

キーGマイナーに移調したポジション5のリック2

ポジション5で弾くGマイナーキーの251リック・フレーズ2楽譜

移調したらバックのリズムに合わせてリックを弾いてきましょう。

この練習はリズムトレーニングにもなります。リックを弾かな休符部分もリズムを感じてみてください。

バックに合わせてリックを弾く練習

ポジション5で弾くGマイナーキーの251リック・フレーズ2を枯葉のコード進行に合わせて弾く練習楽譜

コードトーンを加える

リックに慣れてきたら、その前後にコードトーンを加えてみましょう。これはアドリブの基礎にもなります。

全音符からはじめ、2分音符、4分音符と、徐々に音数を増やしていきます。

前後に全音符でコードトーンを弾く練習

リックの前後に全音符でコードトーンを弾く練習楽譜

前後に2分音符でコードトーンを弾く練習

リックの前後に2分音符でコードトーンを弾く練習楽譜

前後に4分音符でコードトーンを弾く練習

リックの前後に4分音符でコードトーンを弾く練習楽譜

リックにスムーズにつながるようなコードトーンを選ぶと、自然な流れが生まれます。

前のコードからリックへ、リックから次のコードへ、流れを意識してコードトーンを加えてみてください。

リズムに変化をつける

コードトーンのリズムを変えることで、より表現力のあるアドリブになります。

前後のコードトーンのリズムを変えて弾く練習

リックの前後のコードトーンのリズムを変えて弾く練習楽譜

8分音符と8分休符を加えるだけでも音に動きが出てきます。

次は3連符を加えてみましょう。

リックの前後に3連符を加えて弾く練習

リックの前後のコードトーンのリズムを変えて弾く練習楽譜

アドリブでリズムを作るのが難しいときは、書きソロを作ってみるのもおすすめです。

頭の中に鳴った音を楽譜にしていくことも、アドリブ力を高める大事なステップなので、挑戦してみてください。

Cm7-F7-BbMa7のリックを加える

最後にCm7-F7-BbMa7でのリックを合わせて練習しましょう。

リックを変化させ、リックからリックへ自然につなげられるようになれば、アドリブの基礎ができたことにもなります。

メジャーII-V-Iポジション4リック5を加えた練習

リックの前後のコードトーンのリズムを変えて弾く練習楽譜

リックを通してジャズらしい音使いを覚えることで、自分の中に「ジャズの語彙」が蓄積されていきます。

アドリブ中に自然とリックが浮かぶようになるまで、繰り返し練習してみてください。

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