Scale(音階)は、基準になる音から一定の規則で音を並べてできる集まりのことです。
もっとも有名なスケールはドレミファソラシ。この7音はダイアトニックスケールと呼ばれ、現在の音楽の基盤となっています。
ダイアトニックスケールができる以前は4音のスケールが基盤でした。ここではどのようにして現在の7音になったのか、その成り立ちと仕組みを紹介します。
これを理解しておくと自分でスケールを作り出すこともできるようになります。
この記事の目次
ダイアトニックスケールの由来
ダイアトニックスケールは全音、全音、半音から成る4音のスケール(テトラコルド)が2つ組み合わさって出来たものです。
Cをトニックにしてできるテトラコルド
Gをトニックにしてできるテトラコルド
*本来テトラコルドは下降ですが、ここでは上昇で紹介しています。
これらを合わせるとドレミファソラシドか完成します。
CとG、2つのトニックからできているので、2トニックスケール=ダイアトニックスケールと呼ばれるようになりました。
現在では上記のCからBまでの7音をCメジャースケールまたはCイオニアンスケールと呼んでいます。
テトラコルドの組み合わせ
CとG以外のテトラコルドの組み合わせがどんな響きになるか聴いてみましょう。
CとC#(Db)
音名順
CとD
音名順
CとD#(Eb)
音名順
CとE
音名順
CとF
音名順
ジャズではミクソリディアンスケールとして有名です。
CとF#(Gb)
オリヴィエメシアンは移調の限られた旋法No.6と呼んでいます。
CとG#(Ab)
音名順
CとA
音名順
CとA#(Bb)
音名順
CとB
音名順
以上が全ての組み合わせです。
この中で最も自然な響きなのがメジャースケール(CとGの組み合わせ)です。
このことからテトラコルドの美しい組み合わせは以下の2つの条件を満たしています。
- トニックが5度音程(CとG)
- 1つめのテトラコルドの終わりの音と次のテトラコルドが全音関係(FとG)
異なるテトラコルドを組み合わせる
全音、全音、半音からなるテトラコルド同士の組み合わせをみてきましたが、もちろん別のテトラコルドを組み合わせることもできます。
組み合わせは何十種類もあるので、ここではトニックが5度関係、テトラコルド同士が全音関係になるスケールにしぼって紹介します。
ナチュラルマイナースケール
全音、半音、全音のテトラコルドと半音、全音、全音のテトラコルドを組み合わせるとナチュラルマイナースケールになります。
メロディックマイナースケール
全音、半音、全音のテトラコルドと全音、全音、全音のテトラコルドの組み合わせるとメロディックマイナースケールになります。
ハーモニックマイナースケール
全音、半音、全音のテトラコルドと半音、1音半、半音のテトラコルドの組み合わせるとハーモニックマイナースケールになります。
さまざまなテトラコルドを組み合わせることでスケールが出来上がり、これらはダイアトニックスケールと総称されます。
現在ではメジャースケールを基準にした度数表記での考え方が主流になっていますが、ダイアトニックスケールの由来を知っておくことで、スケールを違った角度から見ることができます。
1オクターブ内で出来る7音のスケール
メジャースケールは1オクターブ内を7つに分けたものと解釈するのが一般的です。
メジャースケールの度数表記を基に、各スケールの度数を理解しておきましょう。
Cメジャースケール
Cマイナースケール
Cメロディックマイナースケール
Cハーモニックマイナースケール
度数表記することで、スケールとコードを関連付けながら覚えることができるのが特徴です。
ジャズのアドリブ(特にビバップ)はコード進行を基にしているので、jazzguitarstyle.comでは度数表記でスケールを考えています。
ジャズで良く使われるスケールとそのサウンド
Cメジャースケール
Cリディアンスケール
Cドリアンスケール
Cフリジアンスケール
Cエオリアンスケール
Cメロディックマイナースケール
Cハーモニックマイナースケール
Cロクリアンスケール
Cロクリアン♮2スケール
Cミクソリディアンスケール
Cリディアンb7スケール
Cオルタードスケール
Cミクソリディアンb9b13スケール
人工的なスケール
以下3つのスケールはテトラコルドの組み合わせではなく、人工的に作られたスケールです。シンメトリカルスケールとも呼ばれます。
Cホールトーンスケール
Cディミニッシュスケール
Cドミナントディミニッシュスケール(コンディミ)