Spainのアドリブセクションは24小節で1コーラス。コード進行自体がカッコよく、1つのコードが2小節以上続くのでアドリブ練習にうってつけの曲です。

ロック的な要素を取り入れてもカッコよく聴かせることができるため、ロックギタリストが最初に取り組むジャズの曲としても有名になっています。

ここではリアルブックに載っているコード進行の分析とアドリブ例を紹介します。

Spainコード進行

Spainコード進行楽譜

コード進行分析の目的は各コードの機能を理解し、使えるスケールを見つけ出すことです。jazzguitarstyle.comでは以下4つの順番で紹介していきます。

  1. 曲のキーを調べる
  2. 各コードの機能を調べる
  3. 使えるスケールを見つけ出す
  4. アドリブで実際に使ってみる

Spainのキー

キーは調号と終わりのコードを見ることで判断することができます。

Spainのキー楽譜

Spainの調号はシャープが2つ付いているので、キーはDメジャーかBマイナーになります。

曲の最後を見るとBm7で終わっているので、Bマイナーキーが最適です。

Spain最後の4小節楽譜

B7はコード進行のはじめに戻るためのコードと解釈します。

マイナーキーの場合、ナチュラルマイナーとハーモニックマイナー両方からできるコードをローマ数字(度数)で覚えておくと、コード進行分析に役立ちます。

Bマイナースケールから作られるコード

Bマイナースケールから作られるコード楽譜

Bハーモニックマイナースケールから作られるコード

Bハーモニックマイナースケールから作られるコード楽譜

II-V-Iを調べる

II-V-Iの場所を調べておくと分析に役立ちます。II-Vには下受け皿、V-Iには矢印を使います。

Spainコード進行251箇所楽譜

最後のB7は通常Em7へ向かうV7です。

B7 Em7コード進行楽譜

Em7はベースをGにするとGMaj7(正確にはG6)になります。

B7 Em7/Gコード進行楽譜

このことからB7はV7-Iとしての機能を持っていると解釈できます。

コード進行分析

Spainコード進行分析楽譜

コード進行をローマ数字表記にすることで使えるスケールをすぐにみつけ出すことができます。

各コード使えるスケール

Spain各コードで使えるスケール楽譜

スケールの選択肢は1つではないですが、まずは基本となるスケールの響きを覚えておくことが大切です。

度数別の使えるスケールは「コード進行から使えるスケールを見つけ出す3つの方法」のページで紹介しています。

spainのコード進行を使ったアドリブ例

コード進行分析から選んだスケールを中心に演奏したアドリブ例を楽譜にしたので参考にしてみてください。

Spainのコード進行を使ったアドリブ例ページ1楽譜
Spainのコード進行を使ったアドリブ例ページ2楽譜
Spainのコード進行を使ったアドリブ例ページ3楽譜
Spainのコード進行を使ったアドリブ例ページ4楽譜
Spainのコード進行を使ったアドリブ例ページ5楽譜

おすすめのギタリスト音源と動画

CDで取り上げているギタリストは少ないですが、ビレリ・ラグレーンのアルバムはどちらもギターデュオでの演奏が満喫できます。

ビレリ・ラグレーン、シルヴァン・リュック

『Summertime』

2009年録音
Bireli Lagrene – guitar
Sylvain Luc – guitar

ビレリ・ラグレーン、ヴィック・ジュリス

『A Tribute to Django Reinhardt』

1999年録音
Bireli Lagrene – guitar
Vic Juris – guitar

ビレリ・ラグレーン(YouTube)

アンドレアス・オーバーグ(YouTube)

コメント一覧
  1. ありがとうございます。勉強になります。

    4拍5連?の練習方法があれば教えてください。

    • 4拍5連は1拍5連から順を追って体に覚え込ませていくのがいいと思います。
      お気に入りのフレーズなどを当てはめて毎日練習してみてください。

      1拍5連から4拍5連までの楽譜

  2. ご回答ありがとうございます。

    1拍5連から練習ですね。5連符を4つの音を一塊として最初の音にアクセントをつける練習から、でもいいのでは?と思いましたが、教えて頂いた方法は2拍5連の練習も経ているのですね。

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