ジャズリック（ジャズらしい音使いのフレーズ）は手軽にジャズを体感できる便利なものです。
リックをコピーすることでジャズらしい響きが覚えられ、同時に運指やピッキングのテクニックが身につきます。
しかし、あなたはこんな壁にぶつかっていませんか？
せっかくリックを覚えても、それを自由自在に使いこなせなければ、本当の意味でアドリブを楽しんでいるとは言えません。
その根本的な悩みを解決し、リックを「暗記」から「自分の言葉」へと変える。
そのために、本書『ジャズ・リックを自在に操る7つのアプローチ・メソッド』は、リックの「仕組み」に焦点を当てました。
リックの仕組みが分かれば、自分でもリックを作り出せるようになり、覚えたリックを分析して自分の演奏に活かすことも可能になります。
7つのアプローチ・メソッドを使った演奏例
リックの分析と作り方が分かればビバップのコード進行でも自由なアドリブができるようになります。
7つのアプローチ・メソッドとは
このサイトでも紹介しているアプローチノートをもとにしています。
これらを7つに分類し、総称してアプローチ・メソッドと名付けました。
- ネイバートーン＝隣の音
- アルペジオ＝コードトーンや3度以上の音程
- パッシングトーン＝つなげる音
- エスケープトーン＝反対に進む音
- チェンジングトーン＝はさみこむ音
- ディレイドアタック＝遅らせる、サスペンション＝延長する
- アンティシペーション＝先取り
この7つを理解することで、あらゆるリックの分析と、オリジナルリックの作成が可能になります。
覚えるのに時間がかかるかもしれませんが、本書を読み進めていくうちに自然と身についていくよう設計していますので、じっくり取り組んでみてください。
ジャズリックの学び方
ジャズリックの学び方には3つの段階があります。
- リックをコピーしてそのまま使う
- コピーしたリックを分析して仕組みを理解する
- オリジナルのリックを作る
本書『ジャズ・リックを自在に操る7つのアプローチ・メソッド』は、この「2」と「3」の段階に完全に焦点を当てた教則本です。
ジャズリックは言葉と同じ
ジャズのアドリブは会話と同じです。そしてジャズリックは言葉と同じです。
リックをスケールだけで覚えようとするのは、「おはよう」という言葉を「あ行のお、は行のは、や行のよ、あ行のう」と覚えているのと同じことです。
理論的には正しくても、その覚え方では会話で使えません。
言葉を覚えるとは、その言葉が持つ本質を無意識に理解し、自分なりの使い方をすることです。
リックも同じように、本質を理解することが大切です。そして、その本質を理解するための具体的な方法こそが、7つのアプローチ・メソッドなのです。
付属CDのカラオケ
トラック数の関係上付属CDにはカラオケを収録していないので、ダウンロードしてご活用ください。
CMa7ループ
Cm7ループ
G7-CMa7ループ
G7-Cm7ループ
Dm7-G7-CMa7ループ
Dm7(b5)-G7-Cm7ループ
購入前の活用法
本書の後半は、さまざまなコード進行でのリック作りを紹介しています（164ページ以降）。
本書で取り上げたコード進行を以下に公開しますので、まずは今の実力でリックを作ってみてください。そして本書を学んだ後、同じトラックの上で再度リックを作り、その「変化」と「成長」を楽しんでみてください。
Tr47
Tr48
Tr49
Tr50
Tr51
Tr52
Tr53
Tr54
Tr55
Tr56
Tr57
Tr58
Tr59
Tr60
Tr61
Tr62
Tr63
Tr64
Tr65
Tr66
本書を活用した練習法
本書の活用方法は大きく分けて2つです。
- 今までコピーしてきたリックの分析に活用する
- オリジナルのリック作りに活用する
リックが分析できればメロディとアドリブも分析でき、オリジナルのリックが作れればその延長上にアドリブがあります。
ジャズスタンダードを使って練習するときは、いきなりリックやスケールを弾くのではなく、まずターゲットノートをアドリブで弾くことからはじめてみてください。
1、3拍目に弾くのが難しければ、各コード1音だけから始めるのがオススメです。「もし1音しか使えなかったら、自分はどの音を選ぶだろう？」と考えることは、自分がどんな音を好きなのかを知る最高の練習にもなります。
1音に慣れてきたら、1、3拍目の2音。そしてそれができるようになったらアプローチ・ノートを加えてみてください。
はじめは「ここでネイバートーンを使おう」などと意識的に練習しますが、慣れてくると無意識でも弾けるようになってきます。
この練習を繰り返していくことで、アプローチ・メソッドはあなたにとって「知識」から「感覚」へと変わっていきます。
リックの分析とリック作り、両方を同時に取り組みながら、ぜひ自分らしいアドリブを目指してみてください。
「コピーリックだけの自分」から卒業し、アドリブを自在に操る楽しさを手に入れませんか？